中国語スキルを活かして就職や転職活動を有利におこなうために、中国語の資格を取得したいと考えている方もいらっしゃるかと思います。
日本で取得できる中国語の語学資格は数種類あり、それぞれ内容に特徴があります。
各試験の特徴を把握し自身の希望の求人に合った資格を取得することで、就職・転職活動をさらに有利に進めることにつながります。
今回は、日本で取得できる7つの中国語の資格の種類とそれぞれの特徴を解説します。
また、就職や転職の際には中国語の資格を持つ人材のみを募集している求人も存在します。
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中国語の7つ資格とそれぞれの特徴
日本国内で取得できる中国語の資格は7つ存在します。
それぞれの資格ごとに特徴があるため、自身のキャリアプランに合った資格を取得するとよいでしょう。
7つの資格の種類とそれぞれの特徴を解説します。
HSK(漢語水平考試)
HSKとは、中国国家教育部が実施する中国政府公認資格です。
中国国内を含め118ヵ国で実施される世界中で通用する資格試験として知られています。
中国国家教育部は日本の文部科学省に相当し、評価測定基準は英語圏のTOEFLに相当します。
中国政府公認の語学資格なため、日本企業の採用条件などに記載されることもあります。
資格試験のレベルは、初級レベルの1級から上級レベルの6級までの合計6段階に分けられており、初級レベルの1級2級はリスニングとリーディングの設問のみのマークシート方式で出題されています。
3級以上からライティングの設問が追加されるという特徴を持っています。
また、世界共通の検定のため、問題文や選択肢、リスニングの問題は全て中国語で出題されることも大きな特徴です。
HSKの試験内容にスピーキングは存在せず、別途口頭試験を受ける必要があります。
中国語検定
中国語検定は、日本中国語検定協会が主催する日本人学習者を想定した語学試験です。
出題傾向としては、すでに漢字を知っている日本人に向けて、文法と単語の知識に重点を置いて制作されることが多いようです。
検定のレベルは準4級から1級までが存在しており、HSKと異なり1級に近づくにつれて難易度が上がります。
また、中国語検定準4級から2級まではリスニング・リーディング・ライティングが出題される傾向にあり、準1級と1級には面接による会話の試験が加わります。
文法や単語の基礎知識や翻訳能力が求められる傾向にあるため、翻訳家の仕事などを検討している方に合った資格ともいえるでしょう。
HSKと中国語検定の違い
HSKと中国語検定は、ともに多くの企業が採用時の応募要件に指定する資格です。
認知度が高いといえるHSKと中国語検定ですが、両者の違いは必要とされる語学力の種類にあらわれています。
HSKが実用的な中国語の運用能力やコミュニケーション能力に重点を置いていることに比べて、中国語検定は文法や単語の基礎知識に重点を置いています。
実際に中国の方とコミュニケーションを取る機会が多い仕事ではHSK、中国語の文法や単語を正しく理解し運用したい場合は中国語検定を選択するとよいかもしれません。
また、採点方法も異なります。
HSKがリスニング・リーディング・ライティングの合計点が6割以上正解で合格になることに比べて、中国語検定ではリスニングと筆記試験それぞれに合格点が設定されており、どちらかが基準に達しない場合不合格になってしまいます。
合格のしやすさという観点で両方の試験を検討している場合、合計点で合否が分かれるHSKの方が合格しやすいかもしれません。
TECC
TECCとはTest of Communicative Chineseの頭文字を取った略称で、中国語のコミュニケーション能力を測る試験です。
HSKや中国語検定とは異なり、合否ではなくTOEICと同様に点数表示方式を採用しています。
問題は、リスニングとリーディングが全問マークシート方式で出題され、1000点満点で点数が表示されます。
中国語の知識ではなく、中国語の実践力を測る傾向が強いため、実際に中国で働きたい人や中国語を使用したコミュニケーション能力を証明したい人はTECCがおすすめです。
C.TEST
C.TESTは「実用中国語レベル認定試験」が正式名称で、留学以外の目的で中国語を学んでいる方向けに開発されたHSKに次ぐ国際的な試験です。
中国語を使用したコミュニケーション能力に重点を置いており、ヒアリングを重視する傾向にあります。
レベルは、学習時間1000時間以上を対象としたA-Dレベル試験と学習時間400時間以上を対象とするE-Fレベル試験が存在しています。
A-Dレベル試験は1000点満点で、点数に応じてA級・B級・C級・D級・認定なしのいずれかの結果が得られます。
E-Fレベル試験500点満点で、点数に応じてE級・F級・認定なしのいずれかの結果が得られます。
ヒアリングを重視する、またはHSKの資格をすでに取得している方に合っている可能性があります。
BCT
BCTとはBusiness Chinese Testの略称で、正式名称を「ビジネス中国語検定試験」といいます。
母国語が中国語ではない方を対象に、ビジネスに関する様々な場面での中国語の応用力が試される試験です。
レベルは初級の1級から上級の5級までの5段階に分かれており、1000点満点の得点制で獲得得点に応じた評価が得られます。
全国通訳案内士試験
全国通訳案内士の資格を取得することができる国家試験です。
2018年度の合格率は10%以下と、合格のハードルは高いといえるでしょう。
全国通訳案内士は、外国人を日本全土に案内し、日本の歴史や文化・生活などを外国語で通訳する仕事で、この試験に合格した方のみが名乗れる仕事です。
外国人に対して説明をするための語学スキルはもちろん、日本の文化や地理・一般教養も求められるため、紹介している他の試験と比較して特徴的な資格です。
中国語の全国通訳案内士の資格を取得するには、中国語の試験を選択する必要があります。
求められる中国語のレベルは中国語検定2級程度が目安と言われているため、この資格を取得するのは少々ハードルが高いといえるでしょう。
難易度が高いぶん、通訳や翻訳の経験を積みたい方には、資格を取ることで非常に高い信用を得ることにつながります。な通訳にまつわる求人に応募する上で、非常に大きなアピールポイントとなる資格です。
TOCFL
TOCFLは華語文能力測験という正式名称で、台湾の国家中国語能力試験推進委員会が主催する語学試験です。
台湾では主要な語学試験で、外国人枠として台湾の大学進学や台湾奨学金の申請をされる方、台湾国内で就職活動をされる方はこの試験の合格証が必要になります。
レベルは6段階が設定されており、設問は全てマークシートで出題される傾向があります。
試験時間が2時間と長いですが、その中でリスニング50問、リーディング50問と多くの問題に回答する必要があります。
単純計算で1問あたり1分強で回答しなければならないため、瞬発的な中国語の運用スキルも求められるといえるでしょう。
中国語資格の効果的な勉強方法
取得することで転職活動や就職活動を有利に進められる中国語資格ですが、忙しい毎日の中で合格を目指すためには効率的に学習することが重要です。
ここでは、効率よく試験対策を進めるための4つのポイントを解説します。
過去問を解く
ご紹介した通り、中国語資格といっても試験ごとに問われるスキルはさまざまです。
そのため、受験したい試験の特性を理解し、それに特化した対策をとることが重要です。
そこで最も重要なのが、過去問演習です。
実際に過去の試験で出題された問題を解くことで、その試験で問われるスキルや必要な対策を理解することができます。
また、加えてご自身の実力を測ることができるため、学習計画を立てる上でも重要です。
中国語検定の場合は公式サイトから過去問をダウンロードすることができます。
HSKなどその他の検定についても、過去問題集が書店などで販売されているため、事前に対策は可能です。
傾向を掴み、その試験に特化した対策をすることで効率的な勉強を目指しましょう。
シャドーイング
具体的な対策方法として、シャドーイングも非常におすすめの方法です。
シャドーイングとは音声を聞いてすぐ後に続けてその文章を発声する方法を指します。
このシャドーイングはリスニング能力が鍛えられるのはもちろんのこと、スピーキングに必要となる覚えた語彙・文法知識を瞬時に引き出し発話に繋げる力を磨くことができます。
耳で聞いた音声を直後に発話することで発音練習にもなります。
語学学習におけるシャドーイングの効果は多くの人に認められており、非常に有効な勉強法のひとつです。
学習の中でも発音が最も難しいとされる中国語の勉強につながるため、ぜひ実践しましょう。
ディクテーション
シャドーイングと同様に多くの学習者・語学講師に指示される学習法にディクテーションがあります。
ディクテーションとは音声を書き取ることを指します。
正しく聞き取るリスニング力が鍛えられると同時に、文法的知識やスペルの知識が問われるため、リーディングやライティングの勉強にもつながります。
単語や表現の暗記にも役立つ学習法です。
一気にやるよりも毎日コツコツが重要
学習計画を立てる上で最も重要なポイントは、短期間に長時間学習をするのではなく、毎日コツコツと学習を継続するということです。
短期間に詰め込み学習をしても、脳はそれらを処理しきれず記憶に残りにくいです。
例えば1週間で200個の単語を覚える際に、毎日新たに30個の単語を1時間かけて覚えるのではなく、毎日15〜30分でよいので200個の単語すべてに触れるようにした方が記憶に残りやすいといえます。
詰め込み型の学習は効率が悪いだけでなく、体力的・精神的にも負担が大きくなってしまいます。
資格試験を受験する際には学習期間に余裕を持ち、毎日負担なく続けられる量の勉強を長期的に継続することをおすすめします。
中国語資格を用いて仕事を探す際のポイント
中国語について単に学ぶだけでなく仕事に活かしたいと考える人は多いです。
グローバル化が進む今日、語学力は就職・転職活動を有利に進められる重要なスキルとなっています。
その分、多くの企業が語学力のある人材を募集しているため、中国語が活かせる求人の数も増えています。
そこでここでは、数ある求人の中から自分にマッチした仕事を探すポイントを3点お伝えします。
中国語に加えて中国の文化などの背景知識を身につける
中国語を活かせる仕事で自分の理想のキャリアを実現するためには、語学力だけでなく異文化に対する理解も重要です。
中国語を使う仕事に就いた場合、基本的に仕事を通して中国出身の同僚やクライアントを相手にすることになります。
その際に中国の価値観や文化、歴史などの背景知識を知っていると円満な関係性を築きやすくなります。
文化の違いは営業や接客などの業務だけでなく採用面接にも表れるので、相手の価値観について知っておくことで転職活動を有利に進めることにもつながります。
仕事探しと並行してこれらの知識を身につけることは、仕事探しの段階でも重要です。
中国語を活かしてどのように働きたいのかの具体的なイメージを持つ
中国語をどのように活かし、どのようなキャリアを築きたいのか高い解像度のイメージを持っておくことも重要です。
「語学力を活かせる仕事」と一括りにいっても、コミュニケーション能力を活かして接客や営業をする仕事もあれば、専門用語などの知識を活かして翻訳や書類の処理をする仕事もあります。
「とにかく中国語に携わりたい」という思いで転職したものの、いざ働いてみたらミスマッチを感じるケースも珍しくありません。
転職活動の段階で、自分は中国語をどのように活用して働きたいのかをきちんと考えておくことは、入社後の満足度を大きく左右します。
また、面接の中では入社後のキャリアや長期的なビジョンを問われることも多いです。
そのため、事前に自分の将来像を見定めておくことは選考対策にも繋がるといえます。
中国語を使う仕事を掲載している求人サイトを利用する
中国語を活かせる仕事は増えていますが、一般的な日本企業の求人と比べると少ないです。
そのため、求人探しに手間取ってしまう方や、求人同士の比較にお困りの方も多くいます。
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求められる語学力や福利厚生なども確認できるので、安心して応募に進むことができるでしょう。
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まとめ
自身の希望する求人の仕事内容によって資格の種類やレベルはさまざまです。
中国語を使用してコミュニケーション能力が重視されるのか、読解や知識などが重視されるのかをしっかりと検討し、最適な資格、等級を目指すとよいでしょう。
自身の目指す資格やレベルがわからない場合、中国語スキルを持った人材を募集している求人を多く掲載している「TENJee」をぜひご覧ください。
実際に応募要件や詳しい仕事内容を見比べることで、ご希望のお職種にどのような資格が必要なのかを確認することができます。
求人の必要資格などの欄に語学試験の結果を記載している求人を洗い出し、自身に有利な資格の取得を目指しましょう。

19 thoughts on “【徹底解説】転職に役立つ中国語の資格7種類と効率的な学習のポイント”