日本で働く外国人のための敬語の使い方について解説

日本で働くことを目指す外国人の方にとって習得難易度が特に高い日本語スキルとして、敬語を挙げる方は多いでしょう。

日本文化の中の敬語は、ただのマナーを超えた意味も持っており、日本語で働く上で必要不可欠なスキルです。

敬語を上手く使いこなすことは職場での円滑なコミュニケーションに繋がるため、今回の記事では、日本の職場において必要とされる敬語の基礎知識から実際の活用方法までを、日本で働くことを目指す外国人の方に向けて解説していきます。

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日本での敬語の重要性

日本で生活する際には、敬語が重要な役割を果たします。

敬語を使用することは、単なる礼儀以上に相手に対する尊重と敬意を示すものであり、職場内の関係構築や取引先の方、お客様との気持ちの良いコミュニケーションを作るために必要不可欠です。

敬語は外国人の方にとって習得が難しいですが、マスターすることで日本でのキャリア形成が大きく変わる可能性があります。

また、敬語を使うことは職場での信頼や尊敬の構築に不可欠で、職場だけでなく日常生活にも深く浸透しています。

敬語をはじめとする日本に不便さを感じるいくつかの事例を取り上げた過去記事がございますのでそちらもご参照ください。

▶︎日本で働く外国人が「不便」に感じる8つのことを徹底解説!

敬語の種類

敬語には多く分けて3つの種類があり、状況によって使い分ける必要があります。

こちらの項目では敬語の種類と使い分けについて解説します。

尊敬語

尊敬語は、相手を尊敬し敬うことを示すための言葉で、目上の人や尊敬する人に対して使い、相手の行動や状態を敬って表現します。

例えば、「食べる」は「召し上がる」、「いる」は「いらっしゃる」といったように言葉を置き換えることができます。

謙譲語

謙譲語は、自分または自分のグループの行動をへりくだって表現し、相手を立てるための敬語で、自分の行動に関して謙遜することで、相手に対する敬意を示します。

例えば、「行く」を「伺う」、「もらう」を「いただく」と言い換えます。

丁寧語

丁寧語は、言葉遣いを丁寧にすることによって、相手に敬意を表し、日常会話やビジネスの場面で幅広く使用され、誰に対しても基本的に使う敬語です。

文末に「です」「ます」をつけることで、話し言葉が丁寧になります。

例えば、「読む」は「読みます」、「受け取る」は「受け取ります」となります。

敬語を使う場面

日本で敬語を用いることは、特定の状況に応じて適切な形で使用することが重要です。

こちらの項目では敬語を使う適切な場面について解説します。

接客

お客様は商売の根幹を支える存在であるため、感謝の意を表す手段として敬語は重要です。

正しい敬語で丁寧に接することで、お客様に気持ちの良い接客体験を提供することができます。

また、適切な敬語を用いた接客は、会社のイメージを向上させ、顧客満足を高めることに繋がります。

日本の接客業で働きたい外国人の方がどのような点で有利になるのかを詳しく解説した過去記事がございます。こちらも合わせてご参照ください。

▶︎接客業で外国人が有利に立つ!語学スキルの効果的な使い方

電話での受け答え

電話では相手の表情が見えないため、言葉遣いが特に重要です。

丁寧な言葉遣いと態度を心掛けることで、相手に良い印象を与えることができます。

特に、相手の顔が見えない電話では、対面以上に円滑なコミュニケーションが難しいので、敬語の正確な使用が必須です。

メールでの文面

メールでは、相手と直接会話をする際のように表情や声のトーン等の情報がなく、文章のみで正確に意図を伝えることが求められます。

相手に誤解や不快感を与えぬよう、正しい敬語を用いることで、尊敬と丁寧さを示すことは重要です。

初対面の人

日本では初対面の相手に対して敬語を使うことが一般的であり、相手が年下であっても、最初のうちは敬語を用いるのが無難です。

初めて会う人に対して敬語を使うことは、礼儀正しい印象を与え、良好な関係を築く基盤を作ります。

仕事の上司との会話

職場では、上司や先輩に対して敬意を表し、職場内の上下関係を尊重するために敬語を用いることが一般的です。

適切な敬語を使うことで、職場内の円滑なコミュニケーションと良好な人間関係が保たれます。

日本で働く場合の面接で使えるの敬語

面接は、一緒に働く仲間を採用するために適切な人材かどうかを見極める場面であるので、適切な敬語、特に言葉使いを細かく見られます。

この項目では、面接で特に注意すべき日本語のマナーや、避けるべきNGワードについて紹介します。

面接で注意すべき日本語マナー

面接では、特に以下の言葉遣いに注意する必要があります。

<ul>

<il>一人称の使い方</il>

自己紹介時には、「わたし」よりも「わたくし」と言う方が、より丁寧で誠実な印象を与えます。

<il>応募先企業の呼称</il>

応募先の企業について言及する際は、「御社(おんしゃ)」を使います。

面接の場では「御社」を使用し、書面では「貴社(きしゃ)」を使用します。

<il>承諾や返事の仕方</il>

「承知いたしました」や「かしこまりました」といった表現を用いると、敬意を示しつつ、面接官の指示や質問に対する理解を伝えることが可能です。

<il>語尾の使い方</il>

語尾には「です」「ます」を使い、特に面接では「ございます」といったより丁寧な表現を心がけると良いです。

</ul>

面接で使うべきではないNGワード

以下のような言葉は、面接での使用を避ける必要があります。

<ul>

<il>「大丈夫です」</il>

曖昧で判断がつきにくい表現なので、はっきりとした返事をすることが望ましいです。

<il>「なるほど」「確かに」</il>

これらの言葉は相手の意見に共感する際に使用しますが、面接では相手の立場を尊重する表現としては適切ではありません。

<il>「よろしかったでしょうか」</il>

過去形の表現は避け、「よろしいでしょうか」と現在形で尋ねる方が適切です。

<il>「履歴書になります」<il>

「履歴書でございます」という表現を使い、正確な敬語を用いるようにしましょう。

<il>「そうなんです」「すみません」<il>

これらの表現は馴れ馴れしい印象を与えるため、面接では「さようでございます」や「申し訳ございません」といったより丁寧な言葉遣いを心がける必要があります。

</ul>

<h2>よく使う日本語敬語フレーズ</h2>

日本の職場では、日々のコミュニケーションにおいて敬語が重要な役割を果たします。

この項目では、ビジネスシーンで特に役立つ敬語のフレーズを挙げていきます。

挨拶で使える日本語敬語フレーズ

<ul>

<il>おはようございます</il> 

朝の挨拶として一般的であることに加えて、午後からの出社でも使用されることがあります。

<il>お疲れ様です/お疲れ様でした</il>

仕事終わりの帰り際に仕事終わりや同僚に対して使われるフレーズです。

</ul>

断る時に使える日本語敬語フレーズ

<ul>

<il>申し訳ありませんが</il>

 何かを断る際に使う表現で、申し訳なさを伝えながら丁寧に断ります。

<il>あいにくですが</il>

スケジュール等の理由で断る際に用いる場合が多いです。

</ul>

相手に声をかける時の日本語敬語フレーズ

<ul>

<il>すみません、今少しお時間よろしいでしょうか</il>

相手の時間を借りる際に使う丁寧な言い回しです。

<il>お仕事中、恐れ入りますが〜</il>

仕事中の相手に何かをお願いする際に使います。

</ul>

相手に頼み事をするときの日本語敬語フレーズ

<ul>

<il>お手数をおかけしてすみませんが</il>

頼み事をする際、手間をかけることへの謝罪を込めた表現です。

<il>ご面倒をおかけいたしますが</il>

何かをお願いする際に使う表現で、相手に負担をかけることへの配慮を示します。

</ul>

クッション言葉

クッション言葉は、直接的な表現を和らげるために使われます。

<ul>

<il>恐れ入りますが</il>

何かをお願いする際や、相手に迷惑をかけることを前提とした表現です。

<il>せっかくですが</il>

相手の提案や申し出を断る際に、感謝の意を示しつつ丁寧に断ります。

</ul>

敬語を使う際の注意点

敬語は日本のビジネスコミュニケーションにおいて重要ですが、適切な使用方法を理解することも重要です。

この項目では、敬語を使う際に注意すべき点について解説します。

無理矢理に丁寧にしすぎない

敬語を使う際には、過度に丁寧な表現を避けることが重要です。

特に、二重敬語となる表現は不自然で違和感があるため、適切な言葉選びが求められます。

例えば、「拝見致しました」ではなく「拝見しました」といった形が自然です。

無理に丁寧な言葉を使うことは逆効果になることもあるため、シンプルで正確な敬語の使用が望ましいです。

役職に「様」をつけない

役職名に「様」をつけるのは、一般的には避けるべきです。

役職名自体がすでに敬称の役割を果たしており、「様」を付けると二重敬称となってしまいます。

例えば、「部長様」と言うのではなく、「部長」と呼ぶのが適切です。

敬語は相手に敬意を示すためのものですが、過剰な表現はかえって失礼にあたることがあります。

まとめ

今回の記事では、日本で働くにあたっての敬語の重要性とその使い方をご紹介しました。

日本で働きたい外国人が日本の職場文化を理解し、敬意を表すための言葉選びと使い方までご紹介しましたので、日本で働く際にぜひご活用ください。

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