中国では政情などの観点から国外への移住を選択する人が増加しています。
2019年の国連のデータによると、中国人の方の移住先はアメリカが最多ですが、移住先として日本を選択する人も多く、国別でアメリカに次ぐ第2位となっています。
この記事では、中国人の方が日本に移住することを選択する理由や、日本で活躍する中国人の方の採用方法について解説します。
中国人の方が日本へ移住する理由
中国人の方が移住先として日本を選択する背景や理由について解説します。
治安が比較的安定している
日本はアメリカなどと比べて犯罪件数が少なく、比較的治安が安定しています。
そのため、安全な環境で仕事や子育てをしたい方が日本に移住してくるケースが多いです。
また、現在はドルや人民元に対する円安が続いており、円高時に比べて日本での生活がしやすいことも理由に挙げられます。
地理的・文化的に中国と近い
日本は中国と距離的に近く、旅行や留学などで日本を訪れる中国人の方が多いことから、中国からの渡航や移住のハードルが比較的低いです。
また、日本と中国はともに漢字文化圏であり歴史的な関係が深いことから、文化的にも中国と近いといえます。
そのため、中国人の方にとって日本が比較的生活しやすいことが移住理由の1つになっています。
人手不足により労働にありつける可能性が高い
日本は少子高齢化によって生産年齢人口が減少し、多くの業界で人手不足が問題になっています。
人手不足解消のために日本政府は外国人労働者の受け入れを拡大しているので、日本に移住することで雇用機会を得ることができます。
特に日本語を話せる中国人の方は日本での需要が高いので、より待遇の良い仕事を獲得できる可能性が高くなります。
中国で人口の国外流出が進んでいる背景
中国人の方が日本へ移住する背景には、中国国内の事情も関係しています。
中国で人口が国外に流出している理由や背景について解説します。
米中貿易戦争による情勢の悪化
2018年に始まった米中貿易戦争による経済的な打撃から、中国では政情の悪化が進行しました。
そのため、比較的政情の安定している日本やカナダ、オーストラリアなどに移住するケースが多いです。
また、中国では政府を中心に厳しい監視社会化が進んでいることから、監視の目から逃れることを目的として移住を選択することが増えています。
中国国内の過剰な競争
中国では子どもへの教育投資熱が加速し、学力の試験や就職における競争が過剰になっています。
激しい競争に加え中国国内では人口余剰が進んでいることから、中国の労働市場は買い手市場の状態が続いています。
そのため、若者を中心に就職難が進んでおり、雇用機会を求めて国外に流出するケースが増加しています。
戸籍をはじめとする国内での格差
中国は、戸籍制度によって都市部の戸籍と農村部の戸籍とに区分され、両者の間には法的な格差があります。
都市部で暮らす人々は生活水準が高い一方、農村部では貧困や人口減少が深刻な課題となっています。
地域ごとの格差に苦しむ人々が、海外に逃れることを選択する場合もあります。
中国の人口流出の特徴や影響
中国の人口流出の特徴やその影響について解説します。
より豊かな国に流出する傾向がある
中国人の方の移住先はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの比較的経済水準が高い国が多い傾向があります。
こうした国は中国ほど国内の競争が激しくなく、公共サービスが手厚いことが移住の要因になっていることが多いです。
都市部で失業率が高まっている
中国の都市部では、労働力余剰によって若者を中心に失業率が高まっており、人々は生活のために移住を余儀なくされることがあります。
また、都市部の生活費の高騰により、より安価で暮らしやすい地方部へ移住することもあります。
頭脳流出が問題視されている
中国では、優秀な層が海外での勤務経験を積むためにアメリカやインド等へ流出することが増えています。
そのため、優秀な頭脳の国外流出によって国力が落ちることが懸念されています。
経済成長によって賃金水準が上昇し、安価で豊富な労働力を強みとすることが難しくなった中国にとって、優秀な頭脳や技術を持つ人材の国外流出は大きな痛手です。
日本に移住してきた中国人の方がしている主な仕事
日本に移住してきた中国人の方は、中国語スキルを活かして仕事をしていることが多いです。
日本に移住してきた中国人の方が就いている主な職業についてご紹介します。
通訳・翻訳
中国語スキルに加えて日本語スキルを持っている場合は、通訳や翻訳の仕事でマルチリンガルを活用することができます。
ビジネス上の通訳や書籍、法的文書の翻訳など多くの仕事があります。
翻訳の仕事は、翻訳会社に来る案件やクラウドソーシングの活用によって実務経験を積み、実績を作ることが重要です。
こうした職業では、中国語の読み書きやスピーキングスキルに加えて中国と日本の文化や歴史的背景に関する知識が求められます。
観光業・接客業
日本では中国との距離的・文化的な近さなどを背景に中国人観光客が増えており、中国人観光客に対応する観光案内や旅館などを中心に中国語を話せる人材の需要が高まっています。
また、「爆買い」に代表されるように中国人の方は日本で多くの経済消費をする傾向があるので、観光業だけでなく一般的な量販店などでも中国人の方に接客するケースが増えています。
こうした職業では、中国語スキルと接客スキルが求められます。
中国企業との取引
中国企業を得意先としている会社や、今後中国企業との接点を増やそうとしている会社では、中国人従業員の需要が高くなります。
そのため、中国企業に対する営業や交渉をする中国人従業員が増加しています。
また、中国進出を目指す日本企業が、中国国内の情勢や流行を知るために中国人従業員を採用することもあります。
こうした職業では、中国語での営業や交渉が可能なコミュニケーションスキルや中国、日本のビジネスマナーに関する知識が求められます。
移住してきた中国人の方を採用する際のポイント
日本に移住してきた中国人の方を採用する際のポイントを解説します。
日本語スキルは資格や検定で測定する
中国人従業員を採用するにあたって、日常的なコミュニケーションのためにある程度の日本語能力を求めたい方も多いかと思います。
中国人の方の日本語スキルは、資格や検定によって測定することがおすすめです。
資格や検定の級数、スコアを判断材料にすることで、求職者の日本語スキルを客観的に測定することができます。
また、採用後の日本語教育を会社として支援する場合は、資格や検定の受験費用の補助や級数、スコアによって賞与を与えるなどの方法が効果的です。
ビザの内容や期限を確認する
中国人の方が日本で働くためには、就労ビザが必要です。
ビザを所持していない人を採用すると違法就労助長罪に触れることになるので、採用する際はビザの所持を確認しましょう。
また、異なる業種から転職してくる中国人の方を採用する際は、ビザの就労資格の変更が求められるケースがあるので、ビザの期限や内容を併せて確認することが重要です。
中国人に特化した求人サイトを活用する
一般的な求人サイトは日本人求職者を募集するために作られているので、中国人採用には効率が悪いことが多いです。
中国人採用は、中国人に特化した求人サイトを活用することでスムーズにおこなうことができます。
移住してきた中国人従業員の採用は、ぜひTENJeeをご利用ください。
TENJeeは中国人従業員に特化した求人サイトですので、中国語を話せる人材を効率よく探すことができます。



まとめ
国内情勢の悪化や過剰な競争などの背景によって、中国人の方が国外へ移住するケースが増えており、日本は移住先としてアメリカに次ぐ第2位につけています。
中国人の方が移住先に日本を選択する理由は、日本の治安の良さや人手不足による雇用機会、中国との距離的・文化的な近さなどが挙げられます。
こうした背景から日本へ移住してくる中国人の方は、中国語スキルを活用するなどして日本でさまざまな働き方をしています。
移住してきた中国人従業員の採用は、ぜひTENJeeをご利用ください。
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