中国進出はメリットしかない?中国に進出する際のデメリットや注意点を解説

日本の隣国であり世界最大の市場を持つ中国への日本企業の進出は増加しています。
しかし、米中貿易戦争が深刻になる中で中国への進出は危険なのではないかという不安の声もあります。
海外進出には政治的、文化的なデメリットを伴うこともありますが、世界最大の市場である中国に進出することは、会社のグローバル化や事業の拡大など多くのメリットをもたらす可能性があります。

この記事では、中国進出の際のデメリットや注意するべき点を解説し、デメリットへの対応方法やそれを覆すメリットになりうる点をご紹介します。

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注意すべき中国進出のデメリットや留意点

中国進出の際にデメリットになりうる点や、注意するべきポイントを紹介します。
以下のポイントに注意することで、中国進出を成功させることにつながるでしょう。

仕事観の違いへの配慮が必要

一般的に中国は、日本と比べて言葉の裏を読む文化が少ないので、婉曲表現を避けて的確な指示を出すことでスムーズなコミュニケーションをすることができます。

また、仕事に対する態度よりも仕事の内容や結果を重視する傾向があるので、昇給や昇格などに際してもこのような点を評価するとよいです。

現地で中国人を雇用する場合や中国企業と取引する場合は、こうした仕事観の違いに配慮して接することが円滑な関係を築くことに繋がります。

転職が一般的で人材の出入りが激しい

中国は転職によるキャリアアップを目指す文化が根付いており、終身雇用制を採る企業は少ないのが特徴です。

転職市場に優秀な人材が多くいるので、企業の待遇や環境を整えることが優秀な人材を獲得することに繋がります。

現地文化に合わせたローカライズは必須

日本でヒットした商品やサービスをそのまま中国で提供しても、ヒットしない可能性があります。

ビジネスで扱うものや方法を中国の現地文化に合わせることで、中国に進出している他の日本企業との差別化を図ることができるでしょう。

中国国内での地域差を踏まえたマーケティングが求められる

中国市場を相手にすると一口にいっても、地域ごとの文化や気候の違いや経済格差があります。

例えば、上海や深圳など東部の海沿いは経済的に発展している地域が多いですが、山間部は経済やインフラが発展していない地域が多く、輸送にコストが多くかかります。
中国国内の地域差を踏まえてどこで何を売るかを検討する必要があります。

政治体制による違いを理解する必要がある

中国では外国企業への規制が厳しく、突然の法改正によってこれまでの方法が禁止される可能性があります。

また、著作権や知的財産権が適用されず、債権が回収できないといったこともあるので、日本との法規制や政治体制の違いを理解しておく必要があります。

「米中貿易戦争」がもたらす規制の変化

以前から各国の企業が中国に置いた工場が東南アジアへ移転する流れがありましたが、米中貿易戦争によってその動きが加速しています。
米中貿易戦争によって中国の法規制が変化する危険性があることはひとつの懸念点です。

全盛期と比べると経済成長率は穏やかに変化している

中国は現在も経済成長を続けていますが、2018年のGDP成長率は6.6%で、10%を超える年もあった全盛期と比較すると成長率は緩やかになっています。
この先の急成長を見込んで進出することにはリスクがあるといえるかもしれません。

以前よりは人件費が高まってきている

中国は人件費が安いことが海外企業進出の大きな理由になってきましたが、経済成長に伴って賃金水準が上昇し、人件費が以前よりも高まってきています。
そのため、安価な労働力を目的として進出するメリットは薄くなっているといえます。

撤退時のリスクを理解する必要がある

中国は事業を清算するのに裁判所の許可が必要です。
撤退しようと思っても裁判所の許可が降りないというケースが実際にあります。
中国ビジネスは進出より撤退が難しいといわれることさえあるので、注意が必要です。

中国進出のメリット

中国進出のデメリットについて解説しましたが、中国は単一国家としては世界最大の市場です。
経済成長も続いておりますので、中国進出にはメリットも数多くあります。

高い経済成長率を誇りビジネス市場が活発

コロナによって欧米の経済成長率が軒並みマイナスに転じる一方で、中国はコロナ禍においても高い経済成長率を誇ります。

中国は2020年10〜12月、前年度の同じ時期と比べて実質GDPが6.5%増加しました。
これはバブル期の日本よりも高い水準です。
この先も他国よりも高い水準で経済成長していくことが予想されるので、ビジネスチャンスがさらに拡大していくと考えられます。

巨大な中国市場を舞台にビジネスを展開できる

中国は約14億人の人口を誇る大きな市場ですので、それだけ需要が大きく、ビジネスを展開、拡大するチャンスが大きいです。
また、中間所得層が拡大しているので、人口だけでなく1人あたりの消費額も増加傾向が見られます。

日本という国に関心を持つ人が多い

中国人観光客の「爆買い」が流行語になったように、中国人は訪日観光客の数が世界トップで、日本という国に関心を持つ人が多いので、多くのビジネス機会を見込むことができます。

巨大なインターネット市場がある

中国は日本以上にインターネット市場が発達しており、ECサイトに出店することで実店舗を持たなくても市場に参入することができます。

実店舗を建てることがコスト的に厳しい場合にも参入しやすいことが特徴です。

「経済特区」でビジネスを有利に進められる

中国には法人税を大幅に下げるなどして外国企業を誘致する経済特区があります。
経済特区に拠点を置くことで、税制面で大きな優遇を受けることができます。

海外企業や中国企業の刺激を受けることができる

中国の巨大な市場は世界中の企業の注目を集めています。
同じ市場を争う他の国の企業からの刺激を得ることで、新たなビジネスやサービスの提供につながる可能性が生まれます。

中国のIT系巨大企業4社(Baidu,Alibaba,Tencent,Huawei)はBATHと呼ばれ、時価総額の世界ランキングで上位を占めています。
Baiduが検索エンジン、AlibabaがECサイト、TencentがSNS、Huaweiが端末販売でそれぞれ中国国内を中心に大きなシェアを占めています。

こうした実際に中国国内で成功している企業のノウハウを学ぶことで、中国進出を成功させる可能性が高まります。

中国系IT企業群BATHの概要や強みは、以下の記事で詳しく解説しています。

成果主義が一般的で意欲的な人材が多い

中国は人材側も成果主義の傾向が強いので、いかに効率よく業績を上げるかを社員ひとりひとりが意識しており、意欲的な人材が多いのが特徴です。
インセンティブの割合を増やすなどすることで意欲的な人材を確保することができます。

転職市場が活発で優秀な人材を獲得しやすい

多くの人がキャリアアップを目指した転職に積極的なので、中途採用で優秀な人材を獲得しやすい傾向があります。
給料面や待遇面を重視した優秀な人材が転職市場に多くいる傾向があるので、待遇や受け入れ態勢を整えることが重要です。

また、中途採用はあらかじめ欲しい人材像を明確にしておくことで、公平な面接や優れた人材の獲得をすることができます。

日本でのビジネスに活かせる発見ができる可能性も高い

中国はBATHのような最新のIT技術を担う企業をはじめ最先端の技術やビジネスが集まり、また流行の発信地といえます。

そのため、中国本土でビジネスすることで、日本ではまだ普及していないようなビジネスを発見、開拓する機会を作ることができます。

多くの日本企業も中国市場に進出している

日本企業の中でも中国企業に進出することが増加しています。
実際にどのような企業が進出しているのかをみることで、中国に進出している企業の業種や傾向を掴むことができます。

以下の記事では中国に進出している企業を一覧にして紹介しているので、どのような業種、業界の企業が進出しているのかを調べることができます。

中国進出における懸念点への備え方

中国に進出する際の懸念点に対する備え方や対策方法をご紹介します。

中国の文化・価値観の理解に努める

中国に進出する場合、中国人の同僚と働いたり、中国人をターゲットにしたビジネスをしたりすることになるので、中国についての理解を深めることでビジネスや仕事上の人間関係もうまくいくようになるでしょう。

仕事仲間をはじめとする中国人の信頼を得るためにも、中国の文化や価値観を理解する姿勢を持つことが重要です。

成果主義で実力に見合った評価・待遇が求められる

中国は成果主義の傾向が強いので、業務態度よりも実力や業績を評価する制度を作ることで中国人の価値観に合わせることができます。

具体的には基本給に対するインセンティブの割合を増やすなどの方法があります。

ジェネラリストではなくスペシャリストを目指す

中国人はジョブローテーションのような形態を取ることはあまりなく、何らかの業種や業務に特化した人材が多いです。

中国人を採用する際は特化している業務内容や実績を評価軸にすると求職者とのすり合わせがスムーズにいく場合が多いです。

上司と部下はフランクな関係を築く

中国では上司と部下の立場であってもフランクな関係性を築くことが多いです。
目上の人であっても気づきや意見をきちんと伝え、対等にディスカッションすることでビジネスをより良いものにしたいという思いが背景にあります。

中国人の同僚や上司にも忖度せず率直に意見を伝えることで、仕事上の信頼関係を強固なものにすることができます。

率直に意見を伝えより良い成果を目指す

日本では暗黙の了解のようにその場の空気で理解を促すことがありますが、中国は率直な意見や指示を出すことが好まれます。

中国人に対しては率直な意見を伝え、議論を重ねるなどしてより良いビジネスを目指すことが日本以上に重要になります。

文化の違いを理解して円満な職場環境を目指す

全体として円満な職場関係を築くためには、日本と中国の文化の違いを理解することが重要です。

評価制度を明確にするなど、中国人の部下との接し方について、以下の記事で詳しく解説しています。

中国語人材を採用し現地目線を社内に取り入れる

中国に進出する場合、日本人従業員だけで中国市場の動向や価値観を理解することは難しいので、中国人を積極的に採用することがおすすめです。
中国人を採用する際に受け入れ体制を整えたり採用基準を中国に合わせるなどが重要です。

中国人をはじめとする外国人を雇用する際は、適切な就労ビザの取得が必要になり、社員を含めた受け入れ態勢を整えることなど重要なポイントがあります。

外国人採用を円滑に進めるポイントは、以下の記事でより詳しく解説しています。

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拡大するインターネット市場を活用する

2020年の中国のECサイト小売額は2.3兆ドルと世界最大の額であり、今後もインターネット市場は拡大していくと予想されます。

拡大するインターネット市場を利用して中国に進出する方法は、今後ますます一般的なものになっていくでしょう。

まとめ

中国進出には米中貿易戦争による政治的規制や日本との価値観に違いによるマーケティング戦略の刷新などのデメリットが生じることがありますが、実際に中国人人材を雇用するなどして中国の文化や社会への理解を深めることによって補うことができます。

その上でECサイトをはじめとする巨大な中国市場に進出することによる事業の拡大や新たな価値観を取り入れていくなどのメリットと比較して進出を検討することが重要です。

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