中国では新卒・中途採用ともに日本とは異なる採用の特徴があります。
日本では近年中国人材の活躍が目覚ましいですが、中国から多くの優秀な人材が来日している背景には、採用を取り巻く事情の違いが大きく影響しています。
そこで今回は、中国の採用事情を日本と比較しながら詳しく解説します。
日本とは異なる採用事情を知ることは、日本での通常の採用活動や外国人採用の改善にも役立つので、ぜひ最後までご覧ください。
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中国での採用で評価しているポイント
中国の採用担当者が新卒・中途採用をおこなう際に着目しているポイントを3点解説します。
実務経験や成果
中国では新卒・中途いずれの採用においても実務経験やこれまでの実績を非常に重要視しています。
実績がストレートに給与や待遇に反映される成果主義をとる中国では、採用においても即戦力として活躍できるスキルや経験があるかどうかが重要です。
もちろん、日本でも中途採用を中心にスキル面を評価して選考がおこなわれますが、中国の方がキャリアやスキルがより比重が高いといえます。
反対に日本と比較すると年齢がさほど重視されておらず、いずれの採用においても能力面に比重を置いた評価が基本です。
学歴や資格
中国は日本以上に学歴社会であるため、一定レベル以上の学歴がないと有名な企業に入るのは難しいです。
中学・高校ともに受験を目指した詰め込み学習が一般化し、社会問題としても捉えられています。
日本のような副教科(音楽や美術、体育など)や部活動などがほとんど存在せず、受験に必要な科目を早朝から深夜まで毎日学ぶ生活を送る学生も多いです。
ここまで過酷な受験勉強が一般化している事実は、中国では学歴が就職先、ひいてはこの先の人生を左右することを物語っているといえるでしょう。
このような背景を受けて学歴重視の社会を改める動きも出ていますが、やはり依然として学歴は採用に大きく影響しています。
また、同じ学歴のライバルと差をつけるため、資格や検定などを取得する人も多いです。
もちろん、日本でも学歴や保有資格をひとつの判断基準とする場合がありますが、中国の状況は日本と比べ物にならないほどシビアだといえるでしょう。
信用度
近年になって中国の採用市場で重視され始めた要素に「芝麻信用(セサミクレジット)」というものがあります。
これは中国四大企業のひとつでもあるAlibabaグループが提供するサービスの利用履歴に基づいて個人や法人の信用度を数値化するシステムです。
Alibabaは中国のAmazonとも呼ばれるECサイト事業に強みを持つIT企業で、さまざまな通販サイトを手がけるほかキャッシュレス決済サービスであるAlipayも高いシェアを誇っています。
芝麻信用(セサミクレジット)ではこれらのサービスの利用状況、具体的にはショッピング代金の支払いやキャッシング機能の利用状況などを鑑みて信用度を判定します。
そして採用活動の中ではスキル面以外の要素として素行や金銭面での支払い能力などの信用度を測る目的で芝麻信用(セサミクレジット)を利用する企業も増えています。
日本と比較した中国の採用事情
中国では日本と評価基準や重視するポイントが異なります。
ここではさらに日本と比較しながらその特徴を掘り下げます。
総合職の概念が薄い
日本では馴染みのある「総合職」という概念が中国にはほとんどありません。
総合職として採用された場合、営業やマーケティング、接客などキャリアを重ねる中で複数の職種を経験することになります。
対して中国では職種別採用(ジョブ型採用)が一般的で、入社する時点で自分がどの職種に従事するかが決まっています。
前述した通り成果主義で実績を重視した採用をおこなう中国では、選考を受ける時点で応募した職種に特化したスキルをもち即戦力として活躍できる人が求められています。
そのため、学生のうちから専門的知識やスキルを身につけて実務経験を積み、入社後もその職種のプロフェッショナルとしてキャリアを歩んでいくのが一般的です。
日本企業に応募する中国人求職者は、働きながら専門外の職種に携わる可能性のある日本の総合職の働き方に馴染みがなく、戸惑ってしまう可能性が高いともいえます。
新卒であっても実務経験を重視する
中国では新卒採用・中途採用のいずれの場合も実務経験やスキルが重視されます。
そのため、中国では多くの学生が在学中に企業で本格的なインターンシップに従事し、実務経験やスキルの獲得を目指します。
学生の時点で自分の専門性を磨いているからこそ、職種別採用が成り立っているともいえるでしょう。
対して日本では新卒採用において実務経験やスキルはさほど重視されず、基本的には人柄や将来性を評価するポテンシャル採用が一般的です。
選考の時点でスキルは持っていなくても、入社後に長期的に自社に貢献し成長してくれる人を採用したいと考える企業が多いです。
前述した総合職が設けられている背景には、入社後にさまざまな職種を経験しながら各自の適性を判定し汎用的なスキルを磨いていくというポテンシャル採用ならではの育成方針があります。
新卒採用のあり方は中途採用以上に中国と日本とで明確に違いがあるといえるでしょう。
厳しい就職事情の背景には労働力過多がある
世界一の人口を誇る中国では、人口に対して仕事の数が足りていないという声もあります。
過酷な学歴社会の中でハイレベルな知識やスキルを身につけてきた大学生が毎年数百万人単位で学校を卒業し社会に出ることになります。
中国は世界有数の経済大国ではあるものの、すべての求人が高学歴な学生の希望に見合う収入や職場環境を兼ね備えているわけではないため、就職活動は苛烈を極めています。
結果として、就職先に対して自分の希望するレベルよりも劣ると感じる学生は非常に多いです。
この厳しい就職市場は一流大学を卒業しても就職に苦労するケースがあるほどで、学歴や在学中の実務経験・スキルアップによる採用活動に拍車をかけているといえます。
非常に優秀なスキルを持つ中国人材が母国ではなくあえて日本で仕事を探している背景には、優秀な人でも希望の職につけない中国の厳しい就活事情が影響しています。
終身雇用を想定した採用はほとんどない
中国では数年単位の短期契約が一般的で、終身雇用を前提とした採用をおこなうケースはほとんどありません。
転職を数回経験するのが当たり前の社会なので、同じ会社に長く在籍していると「他の会社からの需要がない、仕事ができない人物だ」と認識される傾向があります。
短期間の間にスキルやキャリアを培い、より給与や待遇がよい会社に転職するというキャリア形成が中国では一般的です。
日本でも転職は一般的になりつつありますが、やはり終身雇用を前提として採用活動をおこない、ひとつの会社の中でキャリアを形成するという考え方の方が多数派なので、中国との違いは大きいでしょう。
多くの中国人材が日本で活躍する今日、日本の転職市場においてもキャリアアップに向けて熱意あふれる中国人求職者は多くいます。
前述したような価値観が一般的な中国で生まれ育った求職者は短期間でしっかりと成果をあげる意識が強いので、日本企業にとっても即戦力として非常に魅力的な人材といえるでしょう。
日本で働く中国人が増えている
採用活動を比較すると多くの違いがみられる日本と中国ですが、日本に渡り仕事を探す中国人は増えています。
ここでは多くの中国人が日本で働く理由や背景を解説します。
日本の労働市場は人手不足が続いている
日本は少子高齢化が問題となっており、労働力の担い手が不足しています。
そのため、就職市場は買い手市場となっており、多くの企業が1人でも多くの人材を獲得しようと積極的に採用活動に乗り出しています。
それに対して中国では前述した通り、人口に対して仕事が足りていないことが問題になっています。
もちろん、中国全体でみると多くの求人が募集されていますが、中には過酷な環境のものや給与が低いものもあります。
学歴社会のなかで求職者のスキルが高まっているのに対し、ハイレベルな求人が足りていないため、優秀な能力を活かせる仕事に就けていない中国人材も多いです。
そこで近年では、母国で理想の仕事に就けなかった中国人材が日本に渡り、能力を活かして活躍するようになりました。
人手不足の日本と仕事不足の中国とでそれぞれのニーズが合致しているため、日本で働く中国人材は増えていると考えられます。
環境や衛生面を考慮して日本に移住するケースがある
日本は世界的に見ても平和で衛生面などの社会水準も高い地域のひとつです。
日本の環境に働きやすさや暮らしやすさを感じて来日する中国人材も多くいます。
中国は、世界第2位の経済大国であり北京や上海などでは世界的に見ても最先端の年機構があります。
しかしながら、国土が広大なこともあり都市部と農村部や大企業と中小企業の格差が非常に大きいことが問題になっています。
そのため、高学歴や高いスキルを取得し過酷な就職競争を勝ち抜かなければ、適切な労働環境で働くことができないとも捉えることができます。
中国と比べると、日本企業の福利厚生や労働環境は全体的に高水準といえます。
同じ企業規模だとしても日本の方が働きやすい傾向があるため、母国を離れる決断をする中国人材も多いです。
中国人を採用する方法
中国人材は厳しい学歴社会や学生時代のうちからインターンシップによる実務を経験していることもあり、知識・スキルともにレベルが高い人が多くいます。
成果主義の影響で結果を出すことに高い意識を持っており、会社にとっても意欲的に利益アップに取り組んでくれる頼もしい存在であるといえるでしょう。
人手不足の日本企業にとって非常に魅力的な中国人材を採用するためには、日本人採用とは異なる注意点も多いです。
ここでは中国人採用を成功させるポイントを解説します。
言語スキルは資格や検定を用いて判断する
中国人材を採用する上で重要な判断基準となる要素のひとつに語学力があります。
もちろん職種によって求める語学レベルは異なるものの、一緒に働く上でどの程度コミュニケーションが取れるかの判断は必須といえるでしょう。
限られた選考期間の中で応募者の語学力を測るのは非常に難しいので、日本語能力を測る資格を参考にするのがおすすめです。
日本語の資格としては日本語能力検定が有名ですが、実はその他にも採用の判断基準として役立つ資格は複数存在します。
資格ごとに測れる技能や必要な語彙が異なるので、会話力やビジネス文書の読解力など求めるスキルに応じて対応する語学試験の種類を理解しておくとよいでしょう。
こちらの記事で日本語の資格について詳しく解説しているので、ぜひご参照ください。
中国と日本の仕事に関する考え方の違いを知る
日本と中国の採用事情の違いをご紹介する中で、中国に特徴的な成果主義など仕事に対する一般的な価値観にも違いがあることをご紹介しました。
この仕事に関する考え方の違いは、中国人材と一緒に働く上で非常に重要な要素です。
日本に来るのだから日本式に合わせてもらうのではなく、日本人側も中国の価値観を理解し、お互いに歩み寄るのが望ましいです。
また、中国人材を採用した後は仕事に必要なスキルだけでなく、日本の価値観やビジネスマナーに関する研修も用意しておくとよいでしょう。
こちらの記事で仕事に関する両国の価値観の違いについて解説しているので、ぜひあわせてご一読ください。
就労ビザに関する知識を持つ
中国人も含めて外国人の方が日本で働くためには就労ビザが必要です。
この就労ビザは日本での就労が認められているタイプの在留資格の相性で、職種や業界ごとに資格の種類が異なります。
選考活動の中で自社の就労と応募者の在留資格が一致しているかどうかを必ずチェックしましょう。
在留資格を変更することもできますが、資格によっては学歴や職歴が応募要件に定められており、申請すれば誰もが希望の在留資格を取得できるわけではありません。
その点も含めて採用担当者が就労ビザについて理解しておくことが重要です。
こちらの記事で就労ビザについて解説しているので、興味をお持ちの方はぜひご覧ください。
中国人が多く登録している求職サイトを活用する
中国人材を採用する際には、求人の公開方法もポイントになります。
人手不足の日本では多くの企業が日々求人を公開しているため、多くの求人の中に埋もれてしまってなかなか応募者が集まらないというケースも少なくありません。
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まとめ
中国と日本とでは採用事情に大きな違いがあります。
中国では学歴やスキル、保有資格などが非常に重視されており、新卒採用・中途採用ともに日本のようなポテンシャル採用はほとんどおこなわれていないという特徴があります。
世界一の人口と広大な面積を誇る中国では、企業や地域間で労働環境の格差が大きいという問題があります。
そのため、限られたハイレベルな職場を目指して多くの学生が過酷な受験勉強やスキルアップに励むという社会環境が特徴です。
対して日本では全国的に労働環境の水準が高く、人手不足が社会問題になっています。
そのため、多くの中国人材が自分のスキルを活かしてよりよい環境で働くことができる場所として日本を選んでいます。
中国と日本では採用事情だけでなく仕事に対する価値観が異なるため、中国人材と良好な関係を築きながら協働するためにはお互いを理解する姿勢が重要です。
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