出入国在留管理庁によると、令和2年の在留中国人は786,630人で、国籍・地域別の在留外国人の中で最も数が多くなっています。
参考:出入国在留管理庁:令和2年6月末現在における在留外国人数について
中国人の方が日本に来る理由は観光や買い物等もありますが、日本で働く機会を求めて来日する中国人の方が増えています。
中国人の方が日本で労働する理由は、待遇や環境面などの要因があります。
こうした要因を深く理解するためには、日本と中国の労働市場の違いや現状を把握することが必要です。
この記事では、日本と中国の労働市場の現状を紹介し、それを踏まえて日本に働きに来る理由を説明します。
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中国の労働市場の現状
中国の労働市場を日本と比較することで、中国人の方が日本に訪れる理由が浮かび上がってきます。
中国の労働市場の現状をご紹介します。
人口が多いため余剰労働力が発生している
中国は世界最大級の人口を持ち、労働者が溢れて余剰労働力が生じています。
そのため、毎年出稼ぎとして一定数の労働者が海外に流出しているのが現状です。
労働力として中国から海外に流出する人は若者が多く、日本にやってくる人材も日本での就労経験や日本語スキルが豊富ではないことも多いです。
しかしその分、育成や教育の浸透が早く、日本に適応することができれば大きな戦力として長く働いてくれることが期待できるでしょう。
外国でスキルを身につける人が増えている
中国では、留学や海外での研修によってスキルや経験を積んでから働く人が増えています。
海外経験を通して多様な働き方や価値観を学んでいるため、グローバル人材として日本をはじめ世界で活躍しています。
特に日本にやってくる中国人の方は留学生や技能実習生が多い傾向にあります。
彼らの多くは日本で学業や各職種の技能実習経験を積んだ後、就労ビザを取得して長期的に日本で活躍しています。
日本の外国人労働市場の現状
日本の労働市場は、中国の労働市場とは対照的に、労働者不足が続いているのが現状です。
その中で活躍する外国人労働市場の現状について解説します。
少子化による人手不足を解消する存在として重宝されている
現在、日本は少子高齢化によって労働力人口の減少が深刻な問題になっています。
こうした日本の現状への解決策として注目されているのが外国人労働力です。
日本に来る中国人の方は意欲や体力がある若い人が多いので、長期的な労働力として見込むことができます。
外国人材の受け入れ態勢を整える日本企業も増えており、今後もさらなる活躍が期待できるといえるでしょう。
外国人労働市場は拡大している
外国人の就職率向上を目指す日本政府は、2019年に就労ビザの取得条件を緩和しました。
これにより在留資格を獲得する外国人労働者が増加しており、外国人労働市場は拡大を続けています。
外国人労働者は出稼ぎで数年仕事をしたら帰るというイメージもありますが、実際には日本に定住して働く人が増加しています。
定住して長く日本で働く外国人労働者の多くは日本語や日本の文化にも慣れ親しんでいる場合が多いため、日本での滞在経験の長い人材を採用する場合、育成や教育のコストを抑えることができるともいえます。
その中で中国人労働者数はベトナムに次ぐ2位
厚生労働省の令和3年時点での外国人労働者数のデータによると、中国人労働者の数は、国籍別ではベトナムに次ぐ2位になっています。
参考:「外国人雇用状況」の届出状況【概要版】(令和3年10月末現在)
在留資格別にみると専門的・技術的分野における中国人労働者の数が増加しており、専門性の高いスキルを持った中国人労働者が増えていることがうかがえます。
中国人が日本で働く理由
中国人の方が本国を離れて日本で働くことを選ぶ理由をご紹介します。
留学生が生計を立てるため
日本の街中で見かける中国人労働者の中には、日本の教育機関に留学している学生も多くいます。
日本での就労経験を積むことや学費や生活費を補うことなど、アルバイトを始めるきっかけはさまざまですが、留学生に共通する傾向としては日本語学習への意欲が高い点があります。
日本で勉強したいと思い来日しているということもあり、仕事の中でも日本語や日本の文化を学ぼうとする積極的な姿勢をもった中国人留学生たちは、日本社会に欠かせない存在となりつつあります。
治安が良く安心して働くことができるから
日本は多くの国や地域と比べてひったくりや誘拐などの犯罪に巻き込まれることが少なく、治安が安定しています。
そのため、治安があまり良くない地域で生活していた人は、安心して働くことができる環境を求めて日本に訪れています。
給与水準が中国本土より高い業種が多いから
中国は学歴社会の文化が根強く、高学歴のエリート層の収入は高い傾向が続いています。
一方で地域や業種によっては賃金格差が激しく、給与水準が低いのが現状です。
日本は給与水準が比較的高く、なおかつ中国と比べて賃金格差が小さいです。
また、外国人採用ということもあり、日本の転職・就活市場では中国国内と比べて学歴や出身地域で差がつきにくいといえます。
学歴や出身地に関係なく、語学力等の自分自身のスキルを活かして給与の高い職場を選びやすい点に魅力を感じる中国人の方は多いです。
衛生面が優れていて健康に働くことができるから
中国は黄砂やPM2.5をはじめとする大気汚染による健康被害が深刻な問題になっており、健康や衛生面を重視して中国国内から流出するケースが増えています。
日本は水道やトイレが綺麗で食品も安全なことがほとんどなので、健康志向の中国人の方が生活の場として日本に訪れています。
優れた衛生環境は働く上での健康はもちろんのこと、日々の生活への満足度にも繋がります。
日本で働く中で日本での暮らしが気に入り、家族や親戚も日本に呼ぶ人もいます。
中国人を雇用するメリット
日本で中国人の方を雇用するメリットをご紹介します。
若く意欲のある労働力として活躍
出稼ぎに訪れる中国人の方は若い人が多いので、少子化が進む日本では貴重な若い労働力を確保できることが大きなメリットです。
言葉や文化の異なる日本を就職先としてあえて選んでいるということもあり、日本で成果を出しキャリアアップを目指す強い意志を持つ人も多いです。
意欲のある中国語人材と共に働くことで、日本人もふくむ社内全体の意欲も高まることが期待できます。
中国語の語学力を提供してくれる
中国人の方を雇用する最大級のメリットは、中国語を話せる人材を獲得できることです。
高度な語学力を有する人材を迎え入れることで、中国進出に向けた中国本土の流行や文化のリサーチや、中国企業との商談など、多くの場面での活躍が期待できます。
また、中国での社会人経験がある人材の場合、中国進出の足がかりとなるような人脈を有している場合もあるかもしれません。
日本にはないアイデアをもたらしてくれる
中国人の方を雇用することで、中国の文化や考え方が会社に浸透し、日本にはないアイデアが生まれる可能性が高まります。
特に中国進出を考えている場合は、中国国内の実情や中国人の傾向など、日本人の従業員からは得られない貴重な情報を手に入れることができるでしょう。
中国人を採用するときのポイント
中国人の方を採用するときに注意するべきポイントをご紹介します。
職場での人間関係をプライベートに持ち込まない
中国は日本と比べると個人で働くという傾向が強く、仕事上の関係は仕事上の関係と割り切っていることが多いです。
そのため、職場での人間関係をプライベートと混同しないで接することが重要です。
トラブルを回避するためにも、いわゆる飲みニケーションへの参加の強制などは避けましょう。
以下の記事では、中国人の方を採用する方法についてより詳しく解説しています。
スキルの獲得を目指している
日本に来る中国人労働者は、自身の新たなスキルの獲得やこれまでのスキルを磨くことを目指している場合が多いです。
したがって、スキルアップの支援や教育制度が充実していると意欲の高い人材を確保できる可能性が高まります。
語学力は検定などで測る
求職者の日本語や中国語のレベルを客観的に測る方法として、検定や資格が効果的です。
業務に必要な語学力や言葉のレベルに合わせて、求人に「〇〇検定何級程度」のような記載をすることで、求職者も必要な言語力がどの程度かわかりやすくなります。
以下の記事では、中国出身のスタッフが日本で働く決断をした理由について、実際の声を中心に書かれています。
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まとめ
労働人口が多く、労働力が過剰になっている中国と、少子高齢化によって労働力不足が深刻な日本の状況が組み合わさり、日本に働きにくる中国人の数が年々増加しています。
中国人の方が日本で働く理由は様々ですが、
・日本は中国に比べ地域ごとの経済格差が小さく、給与水準が高いこと
・水道やトイレなどの衛生面が優れていること
・全国的に治安が安定していること
などが主な理由になっています。
中国人の方を雇用することで中国への進出のきっかけになる可能性があり、日本には無い考え方や価値観を得ることができます。
中国人の方を雇用する場合は、中国の仕事観を理解し、語学力は検定などを利用して客観的に測ることが重要です。
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