法務とは、「法律や司法に関する業務全般のこと」を指します。
企業が法律を超えないために取引や法律相談などをおこなっており、経営に欠かせない存在として活躍していますが、具体的な仕事内容が分かりづらいという方もいるかと思います。
法律は当然ながら国ごとに異なるため、国際的な取引が一般化した今日の法務職では海外の法律に関する知識や、海外の書類を読み解く語学力が求められるようになりました。
貿易業界において広く用いられる英語に次いで、日本の最大貿易相手国である中国の法律やルールについての深い知見が、法務業界では非常に高い評価を得ています。
また法務と聞くと法律のイメージが強いですが、企業のガバナンスやコンプライアンス意識の高まりを受け、マナーや経営といった幅広い領域でも活躍する仕事です。
今回はそんな法務の仕事内容について詳しく解説します。
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法務の重要性は増している
近年、世界的にコンプライアンスの遵守がこれまで以上に求められるようになりました。
そのため、日々改正される法律を網羅し企業活動を支える法務の重要性は増加しています。
また、法務の仕事では法的な知識や交渉力をもとにしてトラブルの解決や経営判断を支える役割もになっています。
多様な役割を担う法務の企業における存在意義、必要性について解説します。
企業のバランスを安定させる役割を持つ
法務は企業において法令の遵守と利益の追求のバランスを保つ役割を担っています。
企業とは利益を追求する組織であり、常に新たなビジネスモデルを模索しています。
新製品の開発や価格の見直し、人件費の削減などさまざまな角度から事業を展開する企業にとって、これらの活動が法律に抵触していないかチェックする法務は不可欠な存在です。
コンプライアンスへの対応
法律や社会的にバッシングを受ける内容は時代とともに変化していくため、既存のルールで全てを補えるわけではありません。
特に近年では法律上は問題がなくとも、世間の価値観と企業活動にずれが生じたことで企業イメージに傷がついてしまう事例も増えています。
例えば、広告や商品名に用いられる表現に批判が集まり、企業のホームページやSNSアカウントが炎上したり、商品や広告の展開が中止に追い込まれたりといったトラブルも少なくないといえます。
法務は法改正だけでなく、他社のトラブル事例などに広くアンテナを張り、企業のコンプライアンスを高めていく上でも重要な存在です。
法務の仕事内容
法務が法律関係を扱う仕事だということはわかっていても、仕事内容は想像しにくいという方もいるかと思います。
法務の具体的な仕事内容をご紹介します。
契約・取引業務
取引成立時に結ばれる売買契約書などの契約書類を管理し、その内容が十分なものかどうかを調べる業務です。
契約締結後に契約書の内容に不備が見つかると、法廷での争いにつながる危険性もあるので、それを防ぐ役割があります。
また、トラブルが起きた際はどのように対処するべきかという判断を会社全体で決定するための精査も重要な役割です。
海外にもまたがる契約・取引
日本国内の取引だけでなく、部品の輸入や商品の輸出など、海外との取引をする場面が多くあります。
海外企業とのビジネスは、相手の国の法律や慣例についての知識が必要となります。
また、外国語で書かれた契約書類の内容を確認し自社に不利益がないかを確かめた上で処理する仕事も、近年需要が高まっています。
これらの海外の法律知識や高い語学力を活かし、グローバルな契約・取引を支えるのも法務の重要な役割のひとつです。
会社機関の運用
株主総会や取締役会など、企業の意思決定をおこなう重要なイベントが法律の範囲内でおこなわれるように調整・運用する業務で、機関法務とも呼ばれるものです。
また、子会社の設立や株式の発行など、会社運営に必要なことをおこなう際の法的手続きもおこないます。
法律相談
企業内で法律にまつわる相談を受け、専門的な知見に基づいて解決をサポートすることも法務の重要な仕事です。
企業の経営や各部署の業務など、持ち込まれる相談の内容は多岐にわたります。
事業部ごとによって必要となる法律知識は必要が変わるので、これらに対応するためには幅広い知識が求められます。
また、法律関係の相談は内容を詳細まで正確に把握することが重要となります。
相談を受ける中で相手が抱える悩みの情報を引き出し、法律に結び付けられる要点を整理するヒアリング力や論理的な思考力も求められる業務です。
企業の紛争対応
社内トラブルや顧客からのクレームへの対応をおこないます。
小規模なトラブルは企業の法務部だけで対応することが一般的ですが、大きなトラブルが生じた場合は弁護士との協力をするケースもあります。
場合によっては訴訟が発生して法廷で争うこともあり、実際の訴訟事例に関する知識が求められるシーンも多いです。
訴訟の相手は海外企業となるケースもあるため、海外の文化や実際に訴訟に発展した事例への知見も活かせる場面があるでしょう。
社内規定の整備
コンプライアンスが厳しくなっている中で、セクハラやモラハラなどのトラブルをはじめ、既存の社内ルールでは通用しない状況の増加が目立っています。
そのため、社内規定を新たに作る、あるいは既存の規定をアップデートしていく作業が必要になります。
また、職場のグローバル化が進む中で、宗教や文化など価値観の違いがトラブルを引き起こす事例も増えています。
外国人材が法務として社内規定に携わることで、日本人だけでは見えてこなかった既存のルールの課題の発見や新たな仕組みづくりへの貢献が期待できます。
法務の仕事に利用できる資格
法務の仕事に活かすことができる資格の種類は多いですが、その分時間がかかるものも多いです。
そのため、自身の利用可能な時間や目標と相談しつつ計画的に学習するとよいでしょう。
法務の仕事に利用できる資格をご紹介します。
法科大学院卒業・予備試験
法科大学院の卒業、あるいは予備試験に合格した実績は、法務を目指す上で有利に働く資格のひとつです。
これらの経験は一般的に司法試験の受験を目指すための前段階という認識がされていますが、司法試験を受験していなくとも、基本的な法律知識を有していることの証明になります。
司法試験
司法試験は法律関係の国家資格の最高峰であり、受験のためには法科大学院の卒業または予備試験の突破が必要です。
簡単に合格できるものではありませんが、取得できれば法務関係のプロとして認められるので、転職や業務内容の幅が大きく広がります。
司法書士・行政書士
司法書士は不動産の登記の申請など、財産や権利に関わることが多い資格です。
名義変更を代理で請け負うなど正確な法律の知識を要する仕事が多く、司法書士の事務所だけでなく一般企業への転職に利用することもできます。
行政書士は法律関係の情報を要する書類作成のプロになるための資格です。
官公庁に提出する書類や、事実証明、権利義務に関する書類を中心にすることができ、外国企業との関わりでは特に外国語に関するスキルがあると便利です。
ビジネス実務法務検定
ビジネス実務法務検定は1〜3級まで分かれており、その名のとおり一般企業の法務として働くために必要な知識を獲得するためのものです。
国家資格ではないので、この資格だけで開業することはできませんが、転職やキャリアアップに使うことができます。
法務の仕事に必要なスキル
法務の仕事に必要なスキルをご紹介します。
法律への高い知識
一般人にはない法律への専門性が法務の仕事に最も重要であり、法務の意義は法律への豊富な知識や思考力にあります。
豊富かつ正確に扱える分野が多いほど幅広い業務をこなすことができるでしょう。
文章作成能力
法律関係の契約書をはじめとする書類は一字一句が重要なこともあり、文章作成能力は特に重要になります。
書類作成時に契約内容を理解して正確に記載することと、文章作成自体のスピードとの両立が求められます。
コミュニケーション能力
社員からのヒアリングや、社外の人との交渉の場面など、コミュニケーション能力を要するシーンが多くあります。
ヒアリングでは相談を聞き、それに対して的確に答える力、交渉ではこちらの意見を通しながら相手との折り合いを模索する力が重要です。
語学力
語学力は海外企業との取引で特に重要になるスキルです。
交渉の場で話すことだけでなく、書類を読むスキルも持っていると契約書の内容の取り違えなどのトラブルを回避することにつながります。
近年、外国企業と取引をする企業が増え、法律の知識を持ちながら外国語を話せる人材の需要が高まっています。
中でも中国語を話せる人材は英語話者に比べて少なく、特に需要が高いので好待遇の仕事に就くことができる可能性が高まっています。
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法務の仕事のやりがい
法務の仕事にはどのようなやりがいがあるのでしょうか。
スペシャリストとして活躍できる
法律のスペシャリストとして、自身が学んできた法律の知識や経験を活かすことができます。
専門知識を活かしながら会社の内外にはたらきかけることができるのは、法務の大きなやりがいです。
また、専門性を活かして転職やキャリアアップをする選択肢を取りやすいことも魅力です。
経営陣との距離が近い
経営の意思決定の場に参加し、法的な観点から経営陣にアドバイスをするなど、法務は経営以外の観点から客観的に経営状況を見ることができる立場です。
経営陣との距離が近いため、自らのアドバイスが会社全体の意思決定に反映されていることなどがあると大きなやりがいを感じられるでしょう。
合法違法の境界を越えないように利益最大化を目指す
法務の役割は、法律の遵守と利益の最大化の両立に向けて法的な専門知識に基づいて企業活動を監督することです。
このバランス感覚を持ちながら両者の釣り合いをとる点は、法務のやりがいのひとつでしょう。
まとめ
法務は法律関係全般についての業務を請け負う仕事で、具体的には企業内部での相談、取引先の企業との交渉、訴訟をはじめとする紛争の解決、社内規定の変更などその業務は様々です。
法務の仕事には法律に関する専門知識だけでなく、コミュニケーション能力や書類作成能力、交渉力などが求められます。
また、国を跨いだ取引や交渉の際には語学力が重要なスキルになっています。
その中で特に近年、中国への進出や中国企業と関わる企業が増え、中国語人材の需要が高まっています。
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