日本語の能力を測定することのできる資格のひとつに「日本語能力試験」があります。
外国人の方向けの求人情報などには、N1〜N5までの日本語能力試験に合格していることを応募条件としている場合も多いです。
そこで今回は、日本語能力試験のN1の難易度や各級の目安について解説します。
N1に合格するためにおすすめの勉強法についても合わせてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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日本語能力試験とは
「日本語能力試験」について、実施目的や費用などの押さえておきたい基本情報をご紹介します。
世界最大規模の日本語の試験
「日本語能力試験」は世界最大規模の日本語能力を測定することのできる資格試験です。
2018年の受験者数は全世界で約100万人を超え、世界86の国・地域で実施されています。
受験対象は日本語を母語としない人で、年に2回の試験が実施されています。
ただし、海外では年に一度のみ試験を実施している地域もあるため、注意してください。
受験料は消費税込み、6,500円でインターネットから申し込むことが可能です。
日本語能力試験のメリット
日本語能力試験に合格することで、自身の日本語スキルを可視化できます。
加えて、医師等国家試験など日本国内で受験可能な資格試験の受験資格を得ることができたり、一部科目を免除できたりと得られるメリットは大きいです。
日本語能力試験のメリットについてはこちらの記事で詳しくご紹介しているので、合わせてぜひチェックしてみてください。
【補足】日本語の資格は他にも
日本語能力試験以外にも、日本語のスキルを測定することのできる資格試験も複数あります。
こちらの記事では、それぞれの資格の特徴についてご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
日本語能力試験各級の目安
日本語能力試験の各級の目安や求人で求められる日本語の程度についてご紹介します。
N1〜N5までの5つのレベルがある
日本語能力試験にはN1〜N5までの5段階があり、N1が最も難易度の高い級となっています。
大まかな目安としてはN4とN5では、主に日本語教室で学習する際に必要となる基本的な日本語がどの程度理解できるかを測ることができます。
また、N1とN2では日本で生活する上で必要となる幅広い日本語をどの程度理解できるかどうかを測定します。
そしてこれらの「橋渡し」のレベルとされているのがN3です。
求人情報でもっとも多い語学要件はN2以上
実際の求人情報を確認してみると、多くの企業・業界が語学要件の基準としてあげているのは「N2」です。
日常的に用いられる日本語に加え、幅広い話題について取り上げた新聞や雑誌記事の内容をある程度理解することができるレベルであるといえます。
また、自然に近いスピードの会話ニュースを理解できる聴解力も持ち合わせていることを証明することができます。
N1を取得すればほとんどの企業に応募可能
最高難度のN1を取得すると、ほとんどの企業の応募資格を満たすことが可能になります。
ネイティブレベルの日本語スキルを持っていることを証明できるため、就職・転職活動の際にも自信を持って高い語学力をアピールすることができます。
日系企業への就職・転職を目指す場合も、N1を取得することで安心して臨むことができるといえるでしょう。
日本語能力試験 JLPTのN1の特徴
N1は日本語能力試験の最難関であり、所得すればほとんどの企業の日本語要件を満たすことができます。
N1の特徴や傾向について詳しく解説します。
漢字を理解する力が必要とされる
日本語能力試験のN1は約2000字の漢字が出題範囲であり、漢字を含む複雑な表現の理解が求められます。
N2の漢字は約1000字なので、単純に2倍の漢字を覚えなければならないので、漢字の学習に十分な時間をかける必要があります。
また、1文字ごとの読み方だけでなく、数個の漢字が繋がった熟語も頻繁に出題されるので、文章の意味を正確に理解するためには漢字の読み方だけでなく意味を理解することが不可欠です。
日常会話以上の日本語理解力が求められる
N1では、単に日常会話レベルの日本語を理解するだけでなく、ニュアンスや論理的な文章構造を理解し、文章全体の意図や文脈を把握できる力が求められます。
例として、新聞記事や専門的な文書に見立てた問題が出題されることがあります。
こうした問題に対応するためにも、幅広い分野の文章を読み聴きし、継続的にリーディングやリスニングを続けることが重要です。
N1合格までの学習時間は900〜1200時間といわれている
一般的に、N1の試験には900〜1200時間の学習時間が必要だといわれています。
これは毎日3時間勉強しても1年ほどかかる数字です。
N1合格には文法やリーディング、リスニングだけでなく、漢字や語彙力のアップや模擬試験による試験対策などさまざまなアプローチが必要になります。
そのため、効率的な学習計画を立て、それに従って継続的に勉強していくことが重要です。
日本語能力試験N1レベルの語学力と合格基準
N1レベルの日本語スキルは、あらゆる場面における日本語を読解・聴解することができるレベルです。
それぞれの単元で基準点を満たす必要があるため、バランスの良い日本語力を身につける必要があるといえるでしょう。
N1レベルの読解力とは
N1に合格した場合、新聞の論説や評論などの、論理的でやや複雑な文章や、抽象度の高い文章であってもその構成や内容を理解できるということができます。
また、話の流れや表現の意図などのより深い理解が可能なレベルです。
N1のレベルや試験内容などを詳しくご紹介します。
N1レベルの聴解力とは
N1レベルの聴解力では、自然なスピードでまとまりのあるニュースや会話を理解することができます。
学校の講義などの複雑な内容も十分に理解することができるといえるでしょう。
試験内容と試験時間
N1の試験では、「言語知識(文字・語彙)・読解」の試験を110分間、「聴解」の試験を60分間実施します。
なお、解答方法はすべてマークシート方式です。
合格基準と合格率
合格基準は全体の合計点が合格点を超えていること、それぞれの大問ごとの基準点も満たすことの2つの条件があり、N1の場合は合格率30%前後といわれています。
それぞれの単元で基準点を満たす必要があるため、バランスの良い日本語力を身につける必要があるといえるでしょう。
日本語能力試験N1合格のポイント
N1合格を目指す上でおすすめの勉強法や意識したいポイントについてご紹介します。
日本のコンテンツを活用する
日本のドラマやアニメ、漫画などのコンテンツを通して日本語表現に触れることで、効率よく日本語表現への理解を深めることが可能です。
N1では日本語の慣用表現や微妙なニュアンスなどを問う問題が多く出題されます。
そのためコンテンツを通して実際に近い場面での会話や表現などの雰囲気をつかむことは、有効な試験対策になるといえるでしょう。
また、日本語で書かれた小説も実用的な例文の宝庫といえます。
自分の好きな形式のコンテンツを学習に取り入れ、楽しみながら日本語への理解を深めてみてはいかがでしょうか。
日本人と交流する
参考書などで身につけた知識を、実際に日本語ネイティブとコミュニケーションをとることでアウトプットすることもおすすめです。
自分の身の回りの日本語ネイティブがいる方はもちろん、SNSを活用することで簡単に日本人とつながることもできるのではないでしょうか。
また、他の日本語学習者と日本語でのコミュニケーションを練習し合うのもおすすめです。
【参考】中国人の方が難しいと感じるポイント
中国語を母語とする方ならではの、日本語学習で苦戦しやすいポイントについて以下の記事でご紹介しています。
中国語母語の方におすすめの勉強方法についても合わせてご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
世界最大規模の日本語能力試験では、読解力や聴解力など相対的な日本語の実力を測ることが可能です。
最難関とされるN1に合格することで、ほとんどの求人への応募条件を満たすことができます。
また、国家試験などの科目の免除など得られるメリットは多いので、日本語を学習している方はぜひN1合格をめざしてみてはいかがでしょうか。
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One thought on “日本語能力試験N1の難易度とは?各級の目安やおすすめの勉強法”
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