多くの企業には、「経理」や「財務」と呼ばれる部署があります。
いずれもお金の管理をする仕事ですが、その業務内容はそれぞれ異なりますが、経理や財務が具体的にどんな業務をするのかがわからない方も多いのではないでしょうか。
外国語での資料作成など、経理や財務の仕事には語学力が活かせる場面が多くあります。
そのため、多くの外国人材が活躍中の仕事のひとつとなっています。
この記事では、経理と財務について、具体的な業務内容や両者の相違点について詳しく解説しています。
語学力を経理や財務の仕事に活かす上でおすすめの資格についてもあわせてご紹介しますので、日本で仕事をお探しの外国人の方はぜひ本記事をご活用ください。
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「経理」「財務」「会計」の違いとそれぞれの役割
「経理」「財務」「会計」という役職には、それぞれどのような違いがあるのかを解説します。
「経理」と「財務」は会計の仕事の一種
「経理」と「財務」は「会計」という仕事の大枠に含まれる業務の内のひとつです。
企業のお金まわりを扱う「会計」とは
「会計」の仕事は、企業のお金の出入りを記録し、決算に向けてそれを管理するのが主な業務内容です。
社内のお金を管理し、税金を納め、株主など社外の関係者に財政状況を発表するということが会計の仕事の大きな目的です。
経理や財務以外の会計の仕事
経理や財務以外の会計の仕事には、企業の消費税や法人税などの納税額を計算して納税する税務などがあります。
これらの仕事を一括りに会計と呼ぶ企業も多いです。
「経理」とは”企業活動を数字で表す仕事”
「経理」とは経営管理の略語です。
経理は、企業が活動目標を達成するためにお金を有効活用し、円滑な企業活動を実施ようにするための仕事です。
経理の主な業務
経理の主な業務内容は、日次業務、月次業務、年次業務に分かれます。
日次業務
毎日単位でおこなう業務は、預金や現金の管理、伝票や帳簿の作成などがあります。
商品の仕入や売上、備品の購入などが発生した際に伝票の発行や帳簿への記載をおこない、現金や預金を管理します。
月次業務
日次業務で作成した伝票や帳簿をまとめ、月次決算あるいは四半期ごとの決算に向けて資料を作成します。
また、社員の給与に関して、賞与や残業代などを含めて計算するのも業務のひとつです。
年次業務
年度末の決算に向けて、月次決算で作成した資料をまとめたり、確定申告など税金関係を処理したりします。
また、給与所得者の所得税などを調整する年末調整も業務です。
経理が取り扱う主な書類
経理が取り扱う主な書類は帳簿と伝票があります。
帳簿
帳簿は主要簿と補助簿とに分かれます。
主要簿とは仕訳帳と総勘定元帳のことを指します。
仕訳帳は各取引でお金がいくら入りいくら出たかを記すもので、総勘定元帳は取引を売上、仕入などの勘定科目ごとに分類して記帳したものです。
伝票
伝票は売上や仕入などの取引が発生した際に作成するものです。
そのほか、代金の請求による入金や交通費の発生による出金などの際にも伝票を作成します。
「財務」とは”未来のお金を数値化し管理する仕事”
「財務」は、経理が作成した帳簿や資料をもとに財務戦略の立案や予算の管理などをおこなう仕事です。
したがって、日々の取引を管理しまとめている経理に対して財務は今あるデータを分析し、未来のお金の使い方を管理するという特徴があります。
財務の主な業務
財務の主な業務は、財務戦略の立案、資金調達、予算管理、資金運用があります。
財務戦略の立案
財務戦略とは、経営目標を達成するための資金の調達や運用のプランを立てることです。
財務戦略を立てて経営目標を達成し、企業の価値が高まることで企業のさらなる対外的な信用を獲得することにもつながるので重要な業務です。
資金調達
不足する資金の補填や、新規事業に必要な資金を銀行など外部から調達します。
銀行からの借り入れや社債の発行などには、企業の信用の高さが求められます。
予算や資金の管理
各部署に割り振られた予算が適切に使われているか、あるいはその額が適当なものかをチェックします。
予算不足が発生すると経営目標の達成が困難になるので、経営の安定のためにも重要な業務です。
余剰資金の運用
企業の運営で使用しない余剰資金を投資や企業の合併、買収など有効活用することも財務の仕事です。
余剰資金を有効活用することによりさらなる利益を創出することにもつながります。
経理や財務に向いている人
経理や財務の仕事に向いている人の特徴を紹介します。
数字や計算作業が好きな人
特に経理は、日々起こる取引によるお金の出入りを計算しているので、計算作業が好きな人は、経理の仕事を無理なくこなすことができるでしょう。
専門用語や専門技術を習得することが苦ではない人
経理や財務の仕事では、日常会話では使用することの少ない専門用語や、記録を取る際の書き方のルールなど専門的な知識を身に着けることが求められます。
これらの知識を勉強することを楽しめる方は経理や財務に向いているといえます。
また、外国語で経理や財務の仕事を担当する場合も、より難易度の高い用語を習得する必要があります。
そのため、外国人の方など語学力に強みを持つ方に対する需要は非常に高く、キャリアアップも目指しやすいといえるでしょう。
ルーティンワークを着実にこなすことに達成感を感じる人
経理は特に日々の仕訳がルーティンワークになるので、ひとつひとつの業務を着実に積み上げていくことに達成感を感じる人は、経理の仕事が向いているといえます。
パソコン操作が得意な人
資料の作成や給与計算など、エクセル等を用いたパソコンによる業務が多いです。
したがって、パソコン操作が得意な人は経理や財務に向いているといえます。
社交的で人と話すのが苦ではない人
財務における他部署の予算管理業務など、経理や財務では社内の他の部署と関わる機会もあります。
そのため多くの人とコミュニケーションをとることが苦ではない人は、経理や財務に向いているといえます。
数字やデータを分析するのが好きな人
特に財務は、予算や財務戦略の立案には過去の企業の財政状況や市場の動向などのデータを分析して、事業にいくら費やすかを判断することが重要です。
したがって数字やデータの分析が好きな人は、財務の仕事にやりがいを感じられるでしょう。
経理や会計の仕事に役立つ資格・スキル
経理や会計の仕事に就く際に役立つ資格やスキルを紹介します。
日本における帳簿の用語を学べるものから外国語での帳簿力を測定できるものまで、幅広く解説しているので、ご自身の強みや応募企業の募集要項などと照らし合わせながらご参照ください。
日商簿記検定
日商簿記検定はお金の仕訳や決算時の資料作成に必要な能力を問う検定なので、経理や会計の仕事で役立ちます。
商業簿記だけでなく、工業簿記も範囲に含まれる2級異常を取得できると面接での評価対象になる可能性もあります。
Microsoft Office Specialist検定(MOS)
Microsoft Office Specialist 検定は、エクセルなどOfficeのソフトを使いこなせるかを測る検定です。
お金の管理と直接は関係ないですが、データの集計や資料の作成などの会計業務に役立つでしょう。
語学資格
専門用語なども多く業務の中で日本語で書かれた書類に触れる機会も多い経理や財務の仕事では、日本語の資格を取得することで選考を有利に進めやすいといえます。
知名度の高い日本語能力試験の他に、ビジネスシーンにおける表現や用語に特化したビジネス日本語検定などもおすすめです。
各資格の詳しい出題内容などはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
また、TOEICやHSKなどの語学資格を取得することで、英語圏や中国語圏の外資系企業でも活躍できるようになり、自身の活躍の幅を広げることにつながります。
特に日本において中国語資格を持っている人は英語資格と比べて少なく、取得できれば中国系企業の日本法人などへの就職の際に強みになります。
以下の記事では、中国語を活かした会計の仕事や求められるスキルについて詳しく解説しています。
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FASS検定
FASS検定は2005年スタートの比較的新しい検定です。
資産、決算、税務、資金の4分野からなり、簿記検定では測定しきれない能力を問うことができる検定として注目されています。
BATIC(国際会計検定)
BATICは世界基準の会計検定で、試験はすべて英語で出題されます。
日本企業も海外進出が進んでいるので、グローバル化に力を入れている企業では特にBATICのスコアが評価されることも多いでしょう。
公認会計士
公認会計士はまさに会計業務のプロフェッショナルといえる資格です。
国家3大資格のひとつで難易度は非常に高いですが、対応範囲が広いので、取得できれば自身の仕事の幅を大きく広げることができます。
まとめ
「経理」と「財務」はお金を扱う重要な役職だということは共通していますが、その業務内容は大きく異なります。
それぞれの役職の業務内容を理解して自身に合った仕事を探すことが重要です。
また、経理や財務への就職・転職を考えている場合は、資格や検定を取得することで業務への具体的なイメージを持つことができるでしょう。
また、業務の中で専門用語に触れる機会も多いことから、高い語学力をお持ちの方への需要は非常に高いです。
特に近年多くの中国企業が日本に進出しており、中国語スキルを活かすことで財務や経理としてキャリアを形成しやすい環境になっているといえるでしょう。
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