「外国人はすぐに辞めてしまう」イメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
また、せっかく採用したのに1年も経たずに辞められてしまい、外国人の採用をするべきか悩んでいる方もいると思います。
現在、外国人労働者は日本企業の人手不足の大きな助けになるとても大切な存在です。
今回は、そんな外国人の離職率の現状や離職率を下げるには一体どうすればよいのか解説します。
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日本で働く外国人の離職率
厚生労働省によると、日本で働く外国人のうち約45％の方が離職していて、結果だけを見ると、約半数もの外国人が離職しているのが現状です。
外国人の離職率は日本人全体と比較すると高い
日本人の離職率は、厚生労働省によると約16％です。
日本人と比べてみても、外国人の離職率はとても高いことがわかります。
しかし、離職率が高いといっても一概に考えてはいけません。
業界によって離職率の高さは異なります。
離職率が高い業界
離職率が高い業界として飲食、宿泊などのサービス業界が挙げられます。
理由は給与や労働時間、環境の条件が悪くなりやすいこと、接客時の日本語の難しさなどです。
外国人の方からすると、日本語を使ったコミュニケーションのレベルが高いと、モチベーション維持がしづらい傾向にあって、離職に繋がってしまう可能性が大きいようです。
離職率が低い業界
一方で、企業によっても異なりますが離職率が低い業界は、通信業界やIT業界などが比較的離職率が低いです。
仕事をするうえでの求められている日本語力があまり高くない業界では、離職率が低い結果になっています。
外国人が仕事辞めようと思う背景
外国人は労働時間や環境など日本の働き方に不満を感じてやすいですが、具体的にどのような背景から外国人が仕事を辞めてしまうのでしょうか。
そもそも仕事を辞めることへの考え方が違う
そもそも、外国人は仕事を辞めることに対して日本人とは考え方が異なります。
例えば、アメリカやイギリスなどでは、転職を繰り返してキャリアアップをおこなっていくことが一般的で、辞めることにネガティブな感情はあまりありません。
また、企業側も社員が転職していくことを前提に考えて採用や会社運営をしているため、従業員が離職すること自体にそこまで抵抗を持っていないことが多いです。
日本の働き方とのミスマッチ
最近では、実力によって昇進していける企業も増えてきていますが、中には年功序列の文化が色濃く残っている企業も存在しています。
成果主義の外国人からすると、年功序列などの日本独自の文化は受け入れづらく、それが理由で離職をしてしまう可能性があります。
働き方のミスマッチを事前に意識して採用基準の変更や面接の内容などを見直すことで、離職率の増加を防ぐことも可能です。
若手社員への裁量権の大きさ
海外と比べると、日本はまだ若手社員の裁量権が小さい企業が多い傾向にあります。
外国人の方は、裁量権が大きい仕事を主体的におこないたいと考えている可能性があるので、自身の職場の裁量権や就労後のフローなどを明確にすることで、ミスマッチを事前に防ぐことができます。
昇進スピードや給与体系
外国人労働者からすると、どうしても海外企業と比べてしまいがちで、日本の企業の昇進スピードが遅いと感じたり、給与の上がり幅も少ないと感じてしまう場合があります。
チームで助け合う働き方
一般的に、日本の企業は個人主義で成果を出していく形よりも、組織で一丸となって成果を出していくスタイルを取る傾向にあります。
上司や部下の「縦のつながり」、同期との「横のつながり」といった関係性も仕事に影響を与えます。
個人の成果主義である海外と比べた時に、人によってはチームで働くことに意味を見出せず、ミスマッチを起こして離職してしまう可能性があります。
働く時間帯や長さ
現在では働き方改革によって労働時間は減ってきていますが、まだ残業をしなければいけない会社も存在します。
海外では、残業をする企業があまりないため、残業がある場合はミスマッチを起こしてしまう可能性があります。
専門知識やスキルを活かしにくい
日本の企業には計画的に従業員の職場や業務を変え、スキルアップやお互いをカバーできるようにするジョブローテーション制度があります。
様々な業務を経験できることはメリットともいえますが、専門的に一つのことを極めたい人や特定のスキルを身に付けたい人には、ミスマッチしてしまう可能性があります。
日本の仕事観・企業文化とのミスマッチ
難易度の高い日本語への不安や日本独自のビジネスマナー、職場環境の違いによってミスマッチする可能性もあります。
敬語など高い日本語スキルへの壁
日本語は外国人の方にとって難しい言語で、さらに敬語もあるため、より難しいと感じる外国人は多くいらっしゃいます。
仕事をする上で大切だとしても敬語まで求められると、モチベーションが低下してしまったり、挫折してしまったりする方も多いです。
日本独自のビジネスマナー
海外の方からすると、日本のビジネスマナーには独自に感じるものが多くあります。
日本では会議や食事の時に座る位置が決まっていたり、相手に「〜様、〜さん」など敬称をつけて呼んだり、名刺交換を重要としていたり、外国人の方からすると馴染みのないビジネスマナーが多くあって、それが煩わしく感じてしまう可能性があります。
職場の人間関係
日本企業の職場の人間関係も場合によっては、外国人の方からすると不満に感じてしまう要素になる可能性があります。
例えば、プライベートと仕事の線引きが明確にされていなかったり、「飲みニケーション」と称した飲み会が強制参加であったりするなど、日本では良かれと思っておこなわれていることが、ミスマッチの原因になってしまう可能性があります。
外国人の離職率を下げるポイント
日本の企業の特徴を踏まえた上で、どうすれば外国人は長く働いてくれるのか、以下4つのポイントに分けて解説していきます。
選考を通して疑問点を解消しておく
選考を通し、相手の疑問点を解消しておきましょう。
例えば「給与は高くならないのか」といわれた際には、日本では退職時の保証として退職金がもらえることやレジャー施設、社員食堂の割引などの賃金以外の報酬もあることなどメリットを伝えましょう。
日本の文化を押し付けるのではなく歩み寄る
日本独自のビジネスマナーや文化がありますが、やって当たり前のように接するのではなく、なぜそのようなことをするのか説明したり、どのように感じるか聞いてみたり、外国人の方の考えや意見にも耳を傾けることが大切です。
コミュニケーションを取りつつ、外国人の方が働きやすい環境に変更できる要素があれば、柔軟に対応することで外国人の方とのミスマッチを防ぐことが可能です。
定期的に面談等のフォローをする
定期的に相談にのるなど、悩みや不安、不満を聞く機会を作りましょう。
積極的にフォローをおこなうことで外国人の方は大切にしてもらえていると感じやすく、モチベーションも変わります。
また、今の環境についての不満や不安を共有してもらうことで、事前に離職のアラートを把握することができ、事前に対策をすることもできます。
キャリアパスや評価制度はしっかり伝える
就業規則やキャリアパス、評価の方法など会社独自のルールはあらかじめ伝えておきましょう。例えば、あとで誤解を招かないように具体的なキャリアアップの道筋を事前に示しておくとよいでしょう。
ミスマッチを防ぐ外国人採用のポイント
採用基準を明確にし、自分の会社にマッチした人材の確保を目指しましょう。
外国人採用では、日本人採用とは見るべきポイントが異なるため、専用の基準を設けて、担当者が複数人いる場合は事前にチェックポイントの抜けがないように確認をしておきましょう。
外国人採用の貴基準について、詳しくはこちらの記事で解説しているのでぜひ参考にしてください。
企業にとっての外国人採用のメリット
外国人を採用することにはメリットがあります。
海外のトレンドに敏感になったり、海外進出をおこなうことが容易になったり、さらには外国人ならではの視点をもたらしてくれることで労働環境の改善に役立つことができたり、外国人を採用するメリットは多くあります。
海外進出やインバウンドなど活躍の場は多い
外国人であることの強みを活かした海外進出やインバウンド需要に対応したり、外国人が社内にいるからこそ得られるメリットがあります。グローバル事業を進めて市場を新規開拓したり、インバウンドを狙った事業をおこなったりすることで、大幅な業績UPを狙うことも可能です。
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日本人では思いつけない視点をもたらしてくれる
外国人は日本と異なる環境や文化を持つため、日本人には出せない斬新なアイディアを出してくれる可能性があります。
海外での取り組みを日本で実施することもでき、企業の文化や技術をグローバルにしていくことも可能です。するでしょう。
まとめ
日本で働く外国人の離職率は高いのが現状ですが、外国人の方の視点から職場環境やルールを見直して柔軟に対応することで、ミスマッチを防いで離職率を下げることも可能です。
また、外国人を採用する際も、ミスマッチを防ぐために外国人用の基準を設けて、自社の職場に合う方をしっかりと選定していくことで、入社後に離職する確率を下げることができます。
外国人を採用することは人材不足を解消できるだけでなく、海外進出をすることができたり、社内にグローバルな文化を取り入れることができたり、様々なメリットを得られますので、外国人採用を考えている方は、ぜひ前向きに検討してみてください。
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