日本での就職や転職に向けて資格取得を目指す方も多いと思います。
日本語の能力を測定することのできる「日本語能力試験」を受けておくと、スムーズに就職活動や転職活動を進めることができるかもしれません。
実際に外国人向けの求人情報などで、日本語能力試験N1~N5までに合格していることを応募条件としている企業も多いです。
今回は、日本語能力試験のN2の基本的な情報や特徴についてご紹介します。
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「日本語能力試験(JLPT)」とは
「日本語能力試験(JLPT)」は、日本語を母国語としない方を対象にした日本語能力を認定する語学検定試験です。
基本的に7月と12月の年に2回実施されており、国内外合わせて87ヵ国・地域で受験することができます。ただし、海外では年に1回のみ実施の地域もあるので注意してください。
受験料は消費税込みで6,500円で、インターネットから申し込むことができます。
試験内容は、
・言語知識(文字・語彙・文法)
・読解
・聴解
の3つの要素で構成され、レベルはN1からN5までの5つです。
N2が1番受験者数が多く、そのうえのN1が最も上の資格になっています。
就職や転職の他にも留学のためやビザ取得のために受験する方も多いため、他の資格よりも知名度が高いのが特徴です。
多くの企業が外国人の採用基準にしている
日本語能力試験に合格することで、自身の日本語スキルを証明することができます。
受験が法律で義務付けされているわけではありませんが、ビジネスにおいて活躍してくれる人材を探している企業は、日本語能力試験を採用基準にしていることが多いです。
ビザの優遇措置に必要なポイントを獲得できる
日本語能力試験を取得しておくことで、「高度外国人材」に認定されるためのポイントを獲得することもできます。
高度外国人材に認定された方には様々な出入国在留管理上の優遇措置が認められるので、出入国在留管理庁公式HPより「高度人材ポイント制」について知識を付けておくのも大切です。
【解説】日本語能力試験N2級の特徴
日本語能力試験はN1からN5までありますが、その中でも受験者が多いN2の特徴について解説します。
日本語能力試験N2の試験概要
日本語能力試験のN2は、全問マーク式で言語知識と読解105分、聴解50分の試験です。日本語能力試験N2で問われる内容について、練習問題と合わせて詳しくご紹介します。
日本語能力試験N2の文法
文法では文章問題から、日本語や文章の正しい組み立て方を回答したり、意味が理解できるように文章を作成することができるかを問われます。
<練習問題>
______の言葉の読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
①戦後、日本は貧しい時代を経験した。
1まずしい 2きびしい 3けわしい 4はげしい A.1
上記のような問題が出題されます。
日本語能力試験N2の語彙
語彙では新聞をはじめ、ビジネス関係の文書・エッセイ・説明文・評論などボリュームのある文章から問題が出題されます。
出題された各テキストを読み、内容の理解や筆者のいいたいこと、文章ごとの関係などについて正しく回答できるかを問われます。
また、ある単語を正しく使うことができるか、意味を理解しているかもみられています。
<練習問題>
______の言葉に意味が最も近いものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
①田中さんは単なる友人です。
1大切な 2一生の 3ただの 4唯一の A.3
上記のような問題が出題されます。
日本語能力試験N2の聴解
聴解では、日本語の文章や質問を聞き取り、質問の正しい返答や問題に沿った情報について回答します。
聞き取った日本語から全体の内容や主張したい部分など意図を適切に理解できているかについて問われます。
N2~N5までの練習問題については日本語能力試験公式HPから確認することができます。
日本語能力試験N2の難易度
2番目に難しいN2は日本語能力試験公式HPによると、
「日常的な場面で使われる日本語の理解、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる」というレベルが認定目安とされています。
点数は180点満点で、合格点は半分の90点です。
言語知識・読解・聴解それぞれ60点の内訳なので、3つ全ての項目において基準点(19点)以上取れていることが必要になります。
合格率は毎年約35%~55%で、初めて受ける方にとっては少し難しい試験かもしれません。
日本語能力試験N2の受験者数
気になる日本語能力試験N2の受験者数は、2021年6月時点で約100万人を超えています。
そのうち約63%が日本国内の受験者で約37%が海外の受験者です。
日本語学習者が年々増加していることから、日本語能力試験受験者数も全体的な傾向として今後増加することが予想されています。
応募条件としてN2以上と求人に記載する企業は多い
N1、N2では幅広い場面で日本語を使用することができるレベルになります。
基本的な会話に加えビジネスシーンにおいても、場面に応じた日本語・敬語を使うことができ、中学生レベルの漢字の読みもできるため、N2以上を応募条件にする企業が多いです。
日本語能力試験N 2に合格するポイント
日本語能力試験N2に合格するためのポイントをご紹介します。
N5〜N3との違いを理解する
基礎的な日本語を理解できるというレベルのN3~N5に比べ、N2は日常的な日本語を様々な場面である程度理解できるというレベルになり、一気に難易度が上がります。
試験内容に加え、試験時間も長くなり日本語レベルがビジネスレベルになるということを知っておきましょう。
時間配分を意識する
N3~N5までとは異なり、N2からは「文字・語彙」と「文法」が分かれていません。
そのため自身でどの問題にどれくらい時間をかけるかの時間配分を決めることが必要になってきます。
自身の不得意を洗い出し、それぞれの時間配分をあらかじめ決めておきましょう。
日常会話+αの日本語に触れる
N3~N5に比べて、N2からは日常的な場面+αのコミュニケーション力が求められます。
日本語での会話に問題がないかを測る級のため、教科書の例文やリスニング以外の場面で日本語に触れる機会を持つとよいでしょう。
【補足】中国人の日本語学習者の方が苦手とするポイント
日本語を学んでいるけれど、苦戦しているという方もいらっしゃると思います。
中国人の日本語学習者の方が苦手としているポイントについてこちらの記事で詳しく解説しています。
中国人の方へ向けたおすすめの勉強法もご紹介しているのでぜひ参考にしてください。
▶中国人が難しいと感じる日本語のポイントとは?理由とおすすめの勉強法
N 2に合格するということ
日本語能力試験N2は、
・就職・転職、留学、ビザ取得等の目的で多くの人に受験されている。
・難易度はN1の次に高い
・合格率は35%~55%
・日常会話+αが必要になる
などの特徴がありました。
日本語能力試験では、ビジネス的な語彙などを完全には測ることができないので、他の日本語力を測る試験と併用することをおすすめします。
日本語能力試験以外の資格についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
出題傾向やメリットについても解説しているのでぜひご覧ください。
▶︎外国人向け!就職・転職に役立つ日本語スキルを測る主要資格4種類
まとめ
世界最大規模の日本語能力試験では、読解力や聴解力など相対的な日本語の実力を測ることができます。
2番目に難しいN2に合格することで、様々な企業の応募条件を満たすことができ、求人の幅が広がるでしょう。
また、国家試験などの科目の免除など得られるメリットは多いので、日本語を学習している方はぜひN1合格をめざしてみてはいかがでしょうか。
最難関のN1についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
N1の詳しい日本語レベルや、合格するポイントについてもご紹介しているので、こちらの記事を参考にぜひN1へチャレンジしてみてください。
▶日本語能力試験N1の難易度とは?各級の目安やおすすめの勉強法
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