外国人の方が日本で働く際、自身の日本語能力をアピールするには、日本語資格の取得が効果的です。
数ある日本語資格の中でも、日本企業の就職活動に有利なBJT ビジネス日本語能力テストをご存じでしょうか。
今回は、BJT(ビジネス日本語能力テスト)の基本情報や特徴について解説します。
日本での転職やキャリアアップをお考えの外国人の方は、ぜひご参考にしてください。
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BJT(ビジネス日本語能力テスト)の試験内容
BJT(ビジネス日本語能力テスト)は他の日本語資格とは異なり、試験級がありません。
問題は、聴解・聴読解・読解の3つの章で構成されています。
時間配分は、聴解テスト50分、聴読解テスト30分、読解テスト40分で行われます。
それぞれのテストの内容について詳しく解説します。
聴解テスト
問題は全部で35問出題されます。
音声を聴いて、写真資料に適した場面や言葉を選択する問題や、質問に適した回答を選択する問題が出題されます。
聴読解テスト
問題は全部で30問出題されます。
音声から状況を把握する問題、資料と音声から回答を導き出す問題が出題されます。
読解テスト
問題は全部で35問出題されます。
語彙・文法問題(空所補充)、表現読解問題(空所補充)、資料を読み、質問に適した回答を選択する問題が出題されます。
BJT(ビジネス日本語能力テスト)の基本情報
BJT(ビジネス日本語能力)の基本情報について解説します。
他の日本語検定についても知りたいという方は、こちらのコラムで
日本語能力検定(JLPT)、実用日本語検定(J.TEST)、実用日本語運用能力試験(TOPJ)の出題傾向や基本情報について解説しています。
併せてチェックしてみてください。
評価方法
BJT(ビジネス日本語能力テスト)の結果は合格・不合格ではなく、0〜800点の点数と、点数に応じたJ1+〜J5の6段階のレベルで評価されます。
それぞれのレベルについては以下の通りです。
J1+
スコア600〜800点を獲得すると、評価はJ1+になります。
J1+はどのようなビジネスシーンでも日本語による十分なコミュニケーション能力がある状態を指します。
会議、商談、電話の応対など幅広い状況でのコミュニケーションに加え、日本のビジネス慣習を十分理解しているレベルです。
J1
スコア530〜599点を獲得すると、評価はJ1になります。
J1は幅広いビジネスシーンで日本語による適切なコミュニケーション能力がある状態を指します。
日本語の知識や運用が完璧ではないですが、ビジネスでの読み書きやコミュニケーションは基本的に問題なくこなせるレベルです。
J2
スコア420〜529点を獲得すると、評価はJ2になります。
J2は限られたビジネスシーンで日本語による適切なコミュニケーション能力がある状態を指します。
日本語での意思疎通がうまくできないシチュエーションも稀にありますが、日本語のコミュニケーションやビジネス慣習を概ね理解することができるレベルです。
J3
スコア320〜419点を獲得すると、評価はJ3になります。
J3は限られたビジネスシーンで日本語によるある程度のコミュニケーション能力がある状態を指します。
ビジネスの場面ではコミュニケーションがうまくいかないことがあり、断片的な表現になることがあるレベルです。
J4
スコア200〜319点を獲得すると、評価はJ4になります。
J4は限られたビジネスシーンで日本語による最低限のコミュニケーション能力がある状態を指します。
対人関係ごとの言葉の使い分けなどは難しいですが、ゆっくり会話をすれば日本語での意思疎通ができるレベルです。
J5
スコア0〜199点を獲得すると、評価はJ5になります。
J5は日本語によるビジネスコミュニケーション能力がほとんどない状態を指します。
断片的な日本語知識しか持ち合わせておらず、日本語でのコミュニケーションができるかどうかは今後の勉強次第というレベルです。
部門別ランク
スコアやレベルに加え、聴解・聴読解・読解の各部門別に1〜7のランクで評価されます。
部門ごとに項目応答理論(IRT)に基づいた統計処理が行われ、能力値が算出されます。
算出された能力値と、過去の受験者の能力値を比較して
上位5%と同等→7
上位6%~10%と同等→6
上位11%~20%と同等→5
上位21%~40%と同等→4
上位41%~60%と同等→3
上位61%~80%と同等→2
上位81%~100%と同等→1
とランク付けされます。
受験料
受験料は7,000円(税込)です。
海外で受験する際は受験料が異なるため、BJTの公式ページを確認すると良いでしょう。
試験日程・会場
BJT ビジネス日本語能力テストには、CBT方式が採用されています。
CBT方式とは、コンピュータを使用して実施する試験方式のことです。
そのため全国にテストセンターが設置されており、都合の良い日時と会場を自分で選んで受験をすることが可能です。
ほぼ毎日受験することができますが、会場の予約状況によっては受験できない日時もあります。
また、1度受験すると3か月間を開けなければならないので注意しましょう。
BJT(ビジネス日本語能力)の特徴
BJT(ビジネス日本語能力テスト)の特徴について解説します。
ビジネスに役立つことに特化している
BJT(ビジネス日本語能力テスト)はビジネスシーンで必要とされる日本語コミュニケーション能力の測定を目的とした日本語資格です。
ビジネス社会で求められるマナーや言葉遣いは、日常シーンとは異なったところがあります。
そのため、ビジネスシーンでの実践に向いているBJTを高く評価する日系企業が増えています。
日本での転職やキャリアアップを目指している方にとって、BJTの取得やその勉強は有益だと言えます。
入国管理局の証明基準になっている
法務省入国管理局に「在留資格認定証明書交付申請」を提出する際、日本語能力の証明としてBJTスコアを記入することができます。
BJTスコア300点以上で日本語検定N5以上に相当します。
また、「高度人材ポイント制」においてBJTスコア480点以上で15ポイント(日本語能力試験最高ランクのN1と同等)、400点以上で10ポイント(日本語能力試験N2と同等)を獲得することができます。
その他には、「留学生の就職支援に係る「特定活動」の要件(日本の大学卒業者)」にも認定されています。
受験から3日で成績認定書が発行できる
BJT(ビジネス日本語能力テスト)は受験した当日にスコアレポートを受け取ることができます。
つまり、その日のうちに自分のスコアを知ることができるということです。
また、受験から3日後には成績認定証を印刷することも可能です。
就職試験やビザの期限が迫っているという方にとっては魅力的な制度でしょう。
成績認定証には顔写真・スコア・レベル・部門別ランクが表記されます。
BJT(ビジネス日本語能力)を活用して日本で転職するポイント
BJT(ビジネス日本語能力テスト)を活用して、日本で転職やキャリアアップを目指す際のポイントについて解説します。
適切な就労資格を獲得する必要がある
外国人の方が日本で働くためには、職務に合った適切な就労資格を取得している必要があります。
適切な就労資格を持たないまま働くことは、不法就労にあたります。
故意ではなくても、法的に処分される場合があるので注意しましょう。
自分の就労資格が転職先の就労条件と合っているかどうか確認し、変更が必要な場合は速やかに手続きをしましょう。
外国語スキルを活かせる求人サイトを活用する
通常の求人サイトは日本人の求職者向けに作られている場合が多いです。
外国語スキルを活かせる仕事を見つけたいという方は、外国人の求人に特化したサイトの利用をお勧めします。
特に、日本での転職をお考えの中国人の方は、TENJeeをご利用ください。
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各求人には求められる日本語レベルが設定されているので、BJTをはじめとする日本語資格を取得しておくと、企業に対して自身の日本語能力を証明することができるでしょう。
外国語力や海外での勤務経験を活かす
日本だけではなく、海外にも市場を拡大したいと考えている企業は多いです。
こうした企業では特に、外国語での交渉の機会を視野に入れると、語学力のある人材は重宝されます。
また、海外での勤務を通じて得た社会人経験はもちろん、システムやトレンド、文化など日本の転職先で活かすことができる知識を有している可能性があります。
このように、外国語力や海外での勤務経験は日本での転職・キャリアアップを目指す上で、大きなアピールポイントになります。
日本で働くことを選択した背景を説明できるようにする
母国での就職・転職はもちろん、様々な国で働く選択肢がある中で、「なぜ日本を選んだのか」について面接で問われる機会は多いです。
日本を選んだ背景と、日本で転職することのメリットを併せて答えられると良いでしょう。
また、「どれくらいの期間日本で働くのか」、「どのような仕事がしたいのか」などキャリアプランに関する質問をされることも多いです。
自分の考えを伝えきることができるよう、あらかじめ面接対策をしておきましょう。
まとめ
BJT(ビジネス日本語能力テスト)は、ビジネスシーンで必要とされる日本語コミュニケーション能力の測定に特化した日本語検定です。
ビジネスで通用する日本語コミュニケーション能力が高いほど、職務の選択肢は広がり、より待遇の良い労働環境を期待できます。
日本での転職やキャリアアップをお考えの方は、受験を検討してみてはいかがでしょうか。
外国人の方の転職は、日本語能力に加えて外国語スキルを持っていると仕事を探しやすくなります。
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