你好!李陽佳(り・ようか)と申します。中国・遼寧省出身で、10歳のときに家族と一緒に日本へ移住しました。日本語も分からず、最初は毎日がサバイバル。でも今では、中国語と日本語のバイリンガルとして外国人に特化した求職支援会社で働いています。
この記事では、日本に移住してきた私自身の体験や、現在の中国人にとっての日本移住の現状と可能性を、リアルにお伝えします。日本への移住や、これからの就職・転職活動に不安を感じているあなたにこそ、読んでほしいです!
なぜ今、日本に移住する中国人が増えているのか?
「いつか海外で暮らしてみたい」と考えたことはありますか?将来の不安、都市での就職の難しさ、生活コストの高さ……中国の若者たちが抱える現実は、時に大きなプレッシャーになります。
私が出会った、卒業を間近に控えた北京のある大学生は「どれだけ努力しても、報われる気がしない」と打ち明けてくれました。中国では高学歴でも就職が難しく、特に若者の失業率は深刻です。2023年には16〜24歳の若年層失業率が約20%に達したと中国国家統計局が発表しています(参照)。
さらに、戸籍制度による都市と農村の格差、住宅価格の高騰、教育競争の過熱も加わり、「生きづらさ」を感じる人が増えています。上海出身の友人は、「生活費が高すぎて、給料ではまったく追いつかない。地方都市に引っ越そうかと思ったけれど、それならいっそ日本の方が現実的だと感じた」と話してくれました。
そうした中、日本への移住を選ぶ中国人が年々増加。2024年末時点で、日本に在留する中国人は約87万人。在留外国人の中で最も多く、全体の23%以上を占めています(参照)。
日本は地理的・文化的に中国に近く、治安が良く、生活コストも抑えられる。そして何より、少子高齢化による人手不足により、外国人材のニーズが年々高まっています。
さらに、中国と日本の文化を理解し、両者をつなぐ存在として、企業にとっても欠かせない存在となっています。語学力はもちろんですが、「間に立てる人」は、どんな職場でも必要とされるのです。
私が日本に移住&就職した経緯と日本のリアルな暮らし
ここで少し、私の話をさせてください。私は10歳のとき、父の仕事の都合で家族とともに来日しました。最初はひらがなすら読めず、教室ではまるで文字の海に放り込まれたような感覚でした。先生の言葉もわからず、笑ってごまかす日々。いじめや孤立も経験しましたが、悔しさを力に変えて、映画の字幕を音読したり、絵日記を書いたり、日本語に触れる時間をとにかく増やし少しずつ会話ができるようになっていきました。
高校では国際ビジネスを学び、言語を研究する大学に進学。台湾への留学や中国IT企業でのインターンなど、多文化環境での経験を重ねるうちに、「自分は“橋渡し”を担える存在なのだ」と気づくようになりました。言葉だけでなく、文化の違いや背景を理解しながら、相手の立場にも立てる——それが私のアイデンティティであり、強みです。
現在は人材系企業で外国人の就職支援を行いながら、自分自身の経験をもとに、同じように移住に悩む人の背中を押せたらという想いからライターとしても活動しています。
文化的には近いとはいえ、日本での生活は決して楽ではありません。たとえば、役所での手続きも、書類が日本語のみだったり、担当者が中国語や英語を話せなかったり、ゴミ出しのルールも地域で違うため覚える必要があったりします。加えて、「空気を読む(察する)文化」の中で、仕事でどこまでお願いしてよいのか分からず、戸惑う場面も少なくありません。
でもその一方で、電車は時間通り運行し、道は清潔で、医療や教育などの公共サービスも手厚い。努力すれば評価される環境があり、チャンスはきちんと存在しています。
特に中国人としての強みは、「柔軟さ」と「適応力」、そして「語学力」だと思います。中国語と日本語の両方を理解できることはもちろん、日本社会のルールや期待を学び、うまく立ち回る力は、日本に限らずこれからの多文化社会で必ず活きるはずです。
語学は当たり前!日本での就職は専門性と文化理解が大切
現在、日本ではさまざまな業種で中国語が話せる人材が求められています。特に重視されるのは、語学スキルに加えて、専門性と文化理解を持つ人材です。
1. 通訳・翻訳
ビジネス、医療、行政の現場などで中国語対応の需要は継続的にあります。ただし、日本語が話せる中国人はすでに多く、N1〜N2程度の語学力に加え、法律、医療、ITなどの分野での知識や資格を持つことが、自身の価値を高めるのに大切です。
2. 観光・接客業
中国からの訪日観光客数はコロナ前の水準に戻りつつあり、2025年1月に初めて2019年の同時期を上回りました(参照)。ショッピングより体験を求める傾向が高まっているといわれ、中国語対応スタッフは求められる一方、今後は「多言語対応力」や「おもてなしスキル」、SNSなどを通じた発信力がある人材がより重宝されるでしょう。
3. 貿易・物流・営業
中国市場を相手にする企業では、「信頼構築を重視する文化」や「面子を大切にする交渉スタイル」など、独特のビジネス慣習を理解できる人材が必要です。言葉だけでなく、背景にある価値観を理解して対応できるかが問われます。
4. 人材業界・教育関連
留学生が増えている今、日本語学校や支援団体では、中国語で生活相談や進路指導を行えるスタッフの需要が高まっています。中国語と日本語の間で行き来できる“通訳以上の存在”が求められています。
語学+専門性+文化理解。この3つの視点を持てば、あなたの活躍の場は無限に広がっていきます。
移住・就職を成功させるために必要なもの
日本での移住・就職を成功させるためには、いくつかのステップと心構えが必要です。
1. 日本語学習: JLPT(日本語能力試験)でN2以上を取得すると、就職の幅が格段に広がります。ただ、試験の合格だけでなく、敬語やビジネス用語の理解も重要です。あわせて、ビジネス日本語能力テスト(BJT)や実用日本語検定(J.TEST)など、ビジネス現場で通用する日本語力を証明できる資格も取得すると強みになります。
2. ビザの確認と手続き: 日本で働くためには、就労可能なビザが必要です。なかでも「技術・人文知識・国際業務(通称:技人国)」ビザは、多くのN2レベル以上の外国人が取得している一般的な在留資格です。ビザ申請は通常、内定先の企業が支援してくれますが、申請条件や期間については自身でも把握しておくと余裕が生まれます。
3. 資格や経験の積み重ね: 語学力以外の専門分野でアピールできる資格は、あなたの信頼と市場価値を高めてくれます。たとえば、貿易実務検定、ITパスポート、簿記検定など、志望業界に合わせて日本で評価される資格にチャレンジするのもおすすめです。
4. 相談窓口や支援制度の活用: 市区町村の外国人相談窓口や国際交流協会などは、生活・就職・法律に関する相談にも対応しています。TENJeeのような中国語対応の求人サイトを活用しつつ、同じ中国出身の人たちだけでなく、地域の日本人と交流を持つことも大切です。情報の幅が広がり、生活やキャリアに深みが生まれます。
現在中国で日本語を学んでいる方、すでに留学中の方、日本で働いていて転職を考えられている方、一度帰国して再チャレンジを考えている方。状況は違っても、共通して言えるのは「準備は裏切らない」ということ。
未来の自分のために、今できることを一つずつ積み重ねていきましょう。
“不安”より”可能性”を信じて、”未来”を変えよう!
私が一番大切にしている言葉があります。それは、大学時代の恩師の「目の前の可能性に気づき、動ける人が未来を変える」というもの。友人が就職や起業で活躍する中で焦る私に掛けてくれた言葉でした。日本に移住してきた当時、右も左も分からず、不安でいっぱいでした。でも、今では、たくさんの出会いや学びに恵まれています。
日本で仕事を見つけて、安心を手に入れるまで、簡単ではないかもしれません。でも、「もっと良くなりたい」という思いがあれば、必ず道は開けます。だからこそ、あなたの可能性を信じてほしい。TENJeeのような求職サイトへの登録は、その第一歩です。
あなたの未来が、日本で大きく広がることを心から願っています!
日本に就職・転職をお考えで、中国語スキルを有している方は「TENJee」をご利用ください。
TENJeeは中国語スキルを活用した求人情報の掲載に特化した求人サイトです。
ご興味がある方はぜひ一度ご相談ください。

