中国のグレートファイアウォールとは?規制の対象や回避方法を解説

中国ではインターネットの検索やアクセスに制限がかけられていることを聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

中国に進出し、新しくマーケティング戦略を立てる上で、グレートファイアウォールの内容やその制限対象を知ることが重要です。

この記事では、中国のグレートファイアウォールやその規制対象についてご紹介し、中国へ進出する際のポイントについて解説します。

グレートファイアウォールとは

グレートファイアウォールとは、中国国内で適用されているインターネットの検閲システムのことを指します。

多くのサービスをブロックする壁のようなシステムであることから、中国の世界遺産である万里の長城になぞらえてこの名前がつけられています。

特に中国共産党を批判するような内容については厳しく規制がかけられ、検索ができないようになっているのが特徴です。

ただし、香港やマカオは自治権を持ち、中国本土と法体系が異なるので、グレートファイアウォールが適用されていません。

グレートファイアウォールを敷く背景

中国国内でグレートファイアウォールが敷かれている背景について解説します。

中国政府にとって不利益になる情報を統制する

中国政府は、国内の政治的な不安要因や反政府的な運動を防止するために、インターネット上での情報統制をおこなっています。

政府は、不都合な情報が拡散しないように、特定のウェブサイトやソーシャルメディアだけでなく、ニュースサイトや個人ブログなどもその規制の対象内としています。

不都合な情報とは、反政府的な情報や民主主義に関する情報、天安門事件をはじめとする歴史的な事件に関する情報などです。

中国独自のサービスを拡大する

中国政府がグレートファイアウォールを敷く目的として情報統制に加えて、国内のインターネット企業の保護が挙げられます。

中国政府は、海外のインターネット企業が中国市場に進出することを制限することで、間接的に中国国内における中国のインターネット企業を支援しています。

これによって、中国企業が国内市場でのシェアや競争力を高めることができます。

中国国内の市場を保護する

グレートファイアウォールは、海外からの攻撃を防ぐ役割も果たしています。

中国政府は、インターネット上でのサイバー攻撃やスパイ活動などから国内を守るために、国内から外部への通信を監視し、制御しています。

また、グレートファイアウォールは海外からの不正な取引や輸入品の偽造などを防止し、国内市場を保護することも目的として利用されています。

グレートファイアウォールで規制されているもの

グレートファイアウォールによって、具体的にどのような情報が規制されているのかをご紹介します。

政治的に不都合な情報

中国政府にとって政治的に不都合な情報は、グレートファイアウォールによって統制されることがあります。

不都合な情報とは、反政府的な情報、民主主義や人権に関する情報、中国共産党や中国政府に批判的な情報などです。

政治的に不都合な情報が国民に届き、反体制的な思想を抱くことを防ぐために、グレートファイヤウォールによる情報統制が行われています。

海外の動画サイトやSNS

海外の動画サイトは、グレートファイアウォールの規制対象になることが多いです。

例えば、動画サイトでは、YoutubeやVimeo、Dailymotionなどが規制の対象として挙げられます。

SNSでは、TwitterやFacebook、Instagramなどの利用が限定され、これらのサイトへのアクセスが遮断されることがあります。

海外の動画サイトやSNSへのアクセスが遮断するのは、中国国外で発信されている中国の体制批判に関する情報を、国民が獲得できないようにすることが主な目的です。

グレートファイアウォールを回避する方法

グレートファイアウォールを回避する方法について解説します。

VPNを使う

VPNとは、Virtual Private Networekのことで、インターネット接続を暗号化することで、中国政府がブロックしているWebサイトやアプリにアクセスできるようにすることができます。

VPNは海外のサーバーに接続されているため、グレートファイアウォールを回避することができるのです。

個人でVPNサーバーを建てることは難しいですが、中国国内にはVPNを提供してくれるサービスがあり、そうしたサービスの活用することでグレートファイアウォールを回避することができます。

中国政府の対応

一方で、中国政府はVPNの使用に対して強力な制限をかけています。

2018年にはVPNの使用を禁止する法律が施行され、VPNを使用するためには政府が認めたプロバイダーを使用しなければならなくなりました。

また、政府やVPNの使用状況を監視しており、不正使用が検出されると罰則が科される恐れがあります。

そのため、中国国内でグレートファイアウォールを回避してインターネットを利用する場合は、政府が認可したVPNプロバイダーを使用することが望ましいです。

中国に進出する上でのポイント

グレートファイアウォールへの対応を知った上で、中国に進出することを考えている方もいるのではないでしょうか。

中国への進出を成功させるためのポイントについて解説します。

ECサイトを活用する

中国では、日本以上にECサイトの活用が活発であり、オンラインショッピングが日常的に利用されています。

ECサイトの活用は、中国国内に実店舗を持つためのコストを抑えることができるほか、より多くの人の目にとまることが期待できるため、売り上げの拡大につながりやすいです。

また、中国ではキャッシュレスが急速に普及しており、キャッシュレスへの対応を併せておこなうことができるとよいでしょう。

中国でよく使われているSNSや検索サイトを活用する

中国では、日本を含め世界で多く利用されているSNSや検索サイトの活用が制限されていることがあります。

自社が提供する商品やサービスの中国国内での認知度を高めるためには、中国でよく使われているSNSや検索サイトに対応することが効果的です。

中国では、WeChatやWeiboなどのSNSが多く利用され、検索エンジンではバイドゥが圧倒的なシェアを占めているので、これらのサービスを活用しながらマーケティングをおこなうことが、中国進出の成功のカギになります。

中国人従業員を採用する

中国に進出する際は、中国人従業員を採用することが効果的です。

中国人従業員は中国国内の市場に精通しており、現地のビジネス文化やマーケティングに関する知識を多く持っています。

また、中国語を話せる人材を社内に確保することができるため、中国語でのビジネスや交渉をスムーズにおこなうことができます。

さらに、中国国内における人脈を持っているのであれば、それを活かして新たなビジネスチャンスを掴むことができる可能性もあるでしょう。

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まとめ

中国では、政府によってグレートファイアウォールと呼ばれる情報の検閲システムが導入されています。

グレートファイヤウォールによって中国政府に不都合な事実は検索できず、海外の動画サイトやSNSの利用が制限されることが多いです。

中国に進出する場合は、商品の宣伝や広告に既存のSNSや検索エンジンを利用するのではなく、中国国内でのシェア率が高いSNSや検索サイトを活用することが重要です。

また、中国進出では、中国市場の理解や中国語でのコミュニケーションなどさまざまな場面で中国人従業員が活躍してくれるでしょう。

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